何故? 私は彼の友達以上になれないのか?

神石水亞宮類

第1話 何故? 私は彼の友達以上になれないのか?




“何故? 私は彼の友達以上になれないのか?”



・・・ずっと好きな男性が私には居る!

でもなかなか友達以上から恋愛に発展しない。

彼とは高校からの友達で、社会人になった今もその時の

友達とみんなで集まって月に一回は飲み会を開くぐらい仲が良い。

みんなで集まると? “高校生の時のノリで、今でも心を見せられる

友達ばかりだ!”

その中に私の好きな男性がいる。



そして今日がその月に一回の飲み会の日。



『みんな集まったか~』

【うおーお!】

『じゃあー乾杯するぞー! カンパーイ!』

【カンパーイ!】




 *




『久しぶりだね!』

『うん、仕事上手くいってるか? ヒララは凄い繊細でストレス

作りやすい性格だから心配だったんだよ。』

『あ、ありがとう、大慈がそんなに私の事心配してくれて凄く嬉しい!』

『じゃあー最近、なんか楽しい事とかあった?』

『そうだね! 好きな香水見つけたの! 凄くいい匂いで今日つけて

きたんだけど? どう? いい匂いでしょ?』

『柑橘系の匂い? 僕もこういう匂いが好きだよ。』

『私もスキ! 大慈とは趣味も合うからすき!』

『“僕はヒララが好きだよ。”』

『えぇ!?』

『“友達としてなんでも話せるし! 凄く一緒に居ると楽なんだ。”』

『・・・そ、そうだよね、私も大慈と居ると楽だよ。』

『じゃあー飲むか~』

『飲もう~』




彼は私を友達として好きなんだ! 決して恋愛対象としてじゃない!

そうだと分かっているのに、ふと気を緩むと? 彼が私の事を

好きになってほしいと強く想ってしまう。

だから、その気持ちが彼に伝わらないかいつもヒヤヒヤしてしまうの!

我に返った時に不安にもなってしまうわ。

彼に私を好きになってほしいけど、どうやって好きになってくれるのか

私には分からない!

“これ以上! 友達のままじゃ私はイヤだ!”

私を友達以上、恋愛対象として見てほしい。





 *




・・・でもこの飲み会の3ヶ月後。

私が恐れていた事が起きてしまった!

“彼に新しい彼女ができたのだ!”

それまでも彼には彼女ができたいたのだが、今回は社会人に

なってからだし、この飲み会に彼は新しい彼女を連れて来た

のが凄く嫌だった。



『大慈! お前、なに彼女連れて来てんの? でも大歓迎だよー!

ユリちゃん、今日は楽しんでね!』

『はい!』

『じゃあー乾杯するぞー! カンパーイ!』

【カンパーイ】




 *




『ヒララ! 最近僕の彼女になったユリだよ。』

『初めまして、大慈くんの彼女のユリです。』

『・・・あぁ、初めまして、ヒララです。』

『“わたし達、なんだか仲良くなれそうですね!”』

『えぇ!?』

『なんか好きなモノが似てるような気がして。』

『・・・そ、そうかな、でも仲良くしましょうね。』

『はい。』

『やっぱりヒララに彼女会わせて良かったよ。』

『・・・ううん、』

『“絶対に彼女ができたら? 一番にヒララに会わせようと思ってたんだ。”』

『えぇ!?』

『“ヒララは僕にとって特別な友達だからさ!”』

『・・・特別な友達、』

『彼女の事、よろしくな!』

『・・・ううん、』



この時の私は、涙が出そうなところをグッとこらえて、

笑う事に心掛けていた。

気を引き締めて泣かないように必死だった。

もうお酒をどんなに飲んでも酔わないし、何を話してたのかも

思い出そうとしても思い出せない。

それぐらい私は彼に彼女ができた事がショックだったんだと思う!




そして、この日の飲み会の帰り一人で泣いて家に帰った。

涙が次から次へと目から流れ落ちていく。

止めようと思っても止まらない!

“何故? 私は彼の友達以上になれないのか?”

こんなに私は彼の事が好きなのに、、、。

彼は私を友達以上、見てくれない!

私もそれなりに、彼を忘れるために他の男性とも付き合ったり

した事もあったし、彼を本気で忘れようとも思った。

でも出来なかったの。

“だけど、好きなモノは好き! それ以上はないじゃない!”

彼を好きな事はやめられないと分かったから、絶対に諦めたくない!

でも彼には彼女が居るし、どうしたらいいのかもう分からない。



いつか? 彼は私を友達以上として、見てくれる日が来るのかな?

そんな日が来てほしいと私は毎日願っている。

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何故? 私は彼の友達以上になれないのか? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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