セタガヤみたいに

YOP

第1話 序章


俺の名前はセタガヤ。

ただの苗字。名前はミノル。

生まれを聞かれると埼玉の所沢なので話はほとんど広げられない。なんとなくカタカナで書くとかっこいいからよくカタカナで書く。

仕事を聞かれたら「人助け」と言っている。無難な職業だ。これを読んでるみんなは「人助け」と聞くとヒーローを想像するかもしれないけれど、いまはあの頃とは時代が違う。仕事は金儲けや生活のためという時代は終わった。あの大きな戦争と地震を機に、多くを持つとか、たくさん稼ぐ人間が評価されるような社会は一変したんだ。驚く?でもあの当時も少しはそんな兆候はあったんだよ。YouTubeでは都市伝説も流行ってたし、そこで言われていることはほぼ事実だとエンタメと思って楽しんでたオレもなんかわかってた。動物の本能みたいなものなのかな。でもそれが直接自分に関係あるかって言われたら、米がバカみたいに高級品になっても、車にものすごい課税されても、子供が誘拐されて売られてたって知っても、トランプがUFO公開するって言っても、日本の政治家がほとんど外国人だって知ったって、どうせ遠くの出来事だよねってぼんやりしてた。すべては小さいスマホの画面越し。ゲームの世界と同じ。そんなもんでしょ?


それで海外で戦争が始まったり、この国では地震があって、アメリカも昔みたいなヒーロー役は辞めた後だったからさ、助けてくれる国もほとんどなくて、このままじゃほんとに乗っ取られるってみんなが気づいてからが早かった。知ってる?昔でいうフリーエネルギーがさ、あったんだよね。実はもうとっくに。あと、きちゃったんだよね、宇宙からあいつらが。そこは詳しくは話さないよ。一番楽しみなやつでしょ?さすがに映画のオチは言えないからもう少し待っていて、わかる時はすぐにくるから。

この本は、オレの日記みたいなもの。





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