アベノミクスの幻影
悪魔が次にマイクを握り、アベノミクス以降の
日本を嘲笑と皮肉に満ちた言葉で語り
始めましょう。
DJブースの闇は、相変わらず不気味な沈黙を保っていた。先ほどまでの悪魔の冷笑が、
フロアの隅々にまで染み付いているかのようだ。
疲弊しきったワルツが耳に痛いほど響き、
人々の足音は鉛のように重い。しかし、
悪魔は満足していない。まだ語り足りないと
言わんばかりに、再びその姿を現した。
冷笑を深め、マイクをゆっくりと持ち上げる。
その瞳は、日本の混迷を愉しむかのように
ギラついている。
「ほう……。貴方がたは、まことに懲りませぬな。自ら選んだ道の結果に疲弊しきっておきながら、それでもなお、奇跡を信じようとする。その愚かさには、まことに拍手喝采を送りたいほどでございます。」
悪魔は、皮肉たっぷりに一呼吸置いた。
「まことに、貴方がたは『民主党』という名の、まことに脆い烏合の衆が去った後、再び『自民党』という名の、まことに手垢にまみれた古びたレコードに針を落としましたな。そして、そのDJブースに現れたのは、かの小泉なるDJの遠い子孫でございました。貴方がたは、彼に、まことに『アベノミクス』*なる、まことにもって耳心地の良い呪文を期待いたしましたな。まるで、全てを解決する魔法の言葉であるかのように。ああ、まことに滑稽でございます。」
アベノミクス」という名の幻想:
三本の矢の虚しさ
「彼は、まことに声高に『三本の矢』なるものを掲げましたな。一本目の矢は『大胆な金融政策』
と申されました。日銀なる機関に、
まことに莫大な資金を市場にばら撒かせ、
貴方がたの経済を活性化させると嘯いた。貴方がたは、さも日経平均株価なるものが上昇し、景気が回復したかのように錯覚いたしましたな。しかし、その実態は、いかがでございましたか? まことに、庶民の懐には、さほど温かい風は吹いておりませんでしたな。株価は上がれど、まことに貴方がたの賃金は据え置かれ、あるいは非正規雇用なるものが増え、まことに不安定な生活を強いられたままでございました。まるで、上流の者だけが潤い、下々の者は、まことに干上がっていく砂漠のようでしたな。」
悪魔は、冷ややかな視線をフロアに向ける。
「二本目の矢は『機動的な財政政策』と申されましたな。公共事業なるものに、まことに湯水のように税金を注ぎ込み、経済を刺激すると。貴方がたは、さも新たな道路や橋が建設され、雇用が生まれるとでも信じたのでしょうか? 愚かなことです。まことに、その多くは、まことにもって『箱モノ行政』の焼き直しに過ぎず、地方の疲弊を根本から救うには、まことに力不足でございました。建設業者なる者たちだけが潤い、まことに貴方がたの生活には、さほど恩恵は感じられなかったことでしょう。そして、国家の借金は、まことに積み上がるばかりでございましたな。」
悪魔は、嘲笑を深める。
「そして、三本目の矢は**『成長戦略』と申されました。貴方がたの経済構造を改革し、国際競争力を高めると。まことに耳障りの良い言葉でございましたな。しかし、その実態は、いかがでございましたか? まことに、規制緩和なるものは、一部の大企業に都合の良いように進められ、イノベーションなるものは、まことに掛け声ばかりで、真の成長には繋がりませんでしたな。まことに、貴方がたは、またしても『大企業優遇』**という名のワルツを踊らされ、中小企業や、まことに普通の生活を送る者たちは、ただそのワルツのBGMとして、疲弊していったに過ぎません。」
「疑惑」という名のワルツと、野党の醜態
「さて、この『アベノミクス』という名の幻想が続く中、貴方がたは、またしても別の舞台に目を奪われることになりますな。そう、かの『森友学園』と『加計学園』を巡る、まことにもって下らない『疑惑』でございますな。」
悪魔は、皮肉たっぷりに一呼吸置いた。
「貴方がたの『野党』なる者たちは、まことに性懲りもなく、またしても『政権打倒』という名の熱病に取り憑かれましたな。しかし、彼らが選び取った戦場は、まことに滑稽なものでございました。国会は、まことに建設的な議論の場ではなく、まるで『疑惑追及劇場』**と化しておりましたな。テレビや新聞を通じて、連日、その詳細を追っておりました。まるで、昼ドラの再放送でも見るかのように。」
悪魔は、嘲笑を深める。
「野党は、まことに勇ましく『徹底究明』を叫び、証人喚問だ、記録の提出だと、まことに声高に要求しておりましたな。官僚を呼びつけ、テレビカメラの前で吊るし上げる様は、かつての『事業仕分け』を彷彿とさせました。貴方がたは、それに喝采を送った。『今度こそ、悪事を暴いてくれる』と、まことに純粋な眼差しで期待しておりましたな。しかし、その実態はいかがでございましたか? まことに、蓋を開けてみれば、出てくるのは**『疑念』**ばかり。具体的な不正の証拠、明確な違法行為を示すものは、まことに、ほとんど出てきませんでしたな。ああ、まことに、拍子抜けでございました。」
空疎な「正義」と、見えざる「現実」
「彼らは、まことに声を枯らして『総理のご意向』だの『忖度』だのと叫びましたが、結局のところ、まことに誰も『罪』にはなりませんでしたな**。検察の捜査も、まことに厳しいものではございませんでした。貴様らは、それでも『おかしい』『納得できない』と騒ぎましたが、まことに、それがこの国の『現実』というものでございます。法の裁きを受けるほどの悪事ではなかった、と。まことに、寂しい結論でございましたな。」
悪魔は、冷ややかな視線をフロアに向ける。
「野党は、まことにその『疑惑』にしがみつき、国会の貴重な時間を費やしましたな。本来、議論すべきは、まことに山積する日本の課題であったはず。経済の停滞、少子高齢化、外交、安全保障……しかし、彼らは、まことに『政権批判』という名の麻薬に酔いしれ、まことに肝心な議論を疎かにいたしました。貴様らは、彼らに何を求めていたのでしょうか? 権力を監視し、国民のために働くことを求めていたはず。しかし、彼らが演じたのは、まことに『政局のためのパフォーマンス』に過ぎませんでしたな。まるで、本筋から外れた余興に熱中し、肝心の舞台が崩れ落ちていることに気づかぬ愚か者のようでした。」
悪魔は、さらに深く皮肉を込める。
「貴様らは、彼らの『正義の主張』に共感し、あるいは自民党への反発から、彼らを支持したのかもしれませぬな。しかし、彼らの取った行動は、まことに『失われた30年』という名のワルツをさらに加速させるものでございました。政治への信頼は、まことに地に落ち、国会の機能は低下し、貴様らは『どうせ何も変わらない』という深い諦念に囚われていきました。彼らは、自らの手で、まことに『野党はダメだ』という烙印を、自らに押したのでございます。まことに、愚かにも程がある。」
無残な末路:期待なき混沌
「結局のところ、彼らは、まことに『モリカケ』という名の蜘蛛の糸にしがみつき、自らの首を絞めたに過ぎません。その結果、何がもたらされたか? 貴様らの政治への無関心、あるいはさらなる嫌悪でございます。そして、国民が政治に期待することを諦めるという、まことに恐ろしい結果でございます。彼らは、まことに『政権交代』という名の希望を打ち砕いたばかりか、その後の『政治の再生』という名の微かな光すら、自らの手で消し去ったのでございます。ああ、まことに哀れな人間たちよ!」
悪魔は、その言葉を吐き捨てると、嘲りの笑みを深くし、再び闇へと消えていった。フロアには、相変わらず沈鬱なワルツが響き、人々の足音は、以前にも増して重く、そして疲弊しきった音を奏でているかのようであった。
誰もが忘れてはいけないのだがね。
忘れてしまうから、国会議員が
反省しないんですがね。
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