第2話 ざまぁって自由ですか?自由だから何やってもいいよ!
キリコは咳払いをした後で話を続けていく。
「雌豚クソビッ、じゃなかったタリアは貴族の家の生まれではなくレテネーブル商会という大商会の娘なので、まずはこの商会を潰してみるのはどうでしょうか?」
商会を潰す、その言葉に興味をひかれた俺達は前のめりになりながらキリコの言葉に耳を傾ける。
キリコ曰くこの商会はこの国では手に入らない香辛料の販路を唯一持っていて、香辛料で財を成している。・・・なので香辛料をレテネーブル商会よりも安く大量に仕入れる事が出来れば商会を崩壊させることができるのではないか、という事だった。
じゃあどうやって香辛料を手に入れる?という事については、香辛料は山を越え砂漠を越えて南の隣国に商隊を出して仕入れなければいけないけれど、馬車が荷車を引くようにコメットに荷台をひいてもらって空を飛んで往復すれば商会よりも安全に、速く、大量に仕入れる事が出来るのではないかというのがキリコのアイデアだった。
竜種に属する生き物は総じて誇り高く荷台を引くなんて嫌がるから無理じゃないかとコメットの様子を伺うと、話を聞いたコメットは翼をバタバタさせ、わっほわっほとやる気まんまんだった。やるぞやるぞ俺はやるぞという気持ちが頭上に文字として浮かんでいそうなみなぎるやる気っぷり、これは今すぐにでも飛び出していけお空の彼方だ。
折角のキリコの献策だし、失敗しても別に困る事もないかと思ったので屋敷の使用人に頼んで数日かけて荷台を作ってもらい、試しに隣国まで飛んで荷台一杯に香辛料を買い付けてみたら・・・・・・ものすごく安く大量に仕入れる事が出来た、マジかよマジだよ。
こうも上手くいくものかと驚きつつコメットと気分転換を兼ねて隣国を往復しまくった。日帰りで行き来できるので仕入れも簡単ッ、簡単ッ!
最初の頃は仕入れ先の商人達もドラゴンに乗って飛来しては荷車一杯買っていく行動に驚いていたけれど、取引を繰り返すうちに慣れて、しまいには隣国の商人たちから近隣諸国からの仕入れや代理購入を頼まれることもあった。安くない駄賃を貰えるのと、コネづくりは小さなことからこつこつとするのが大事なので頼まれごとをされる度にあっちへ飛びこっちへ飛びと仕入れに協力していたらお得意様扱いになっていった。あと、丁度隣国で流行病が流行ったので、薬を持ってる近隣の国にとんでいってまとめて仕入れて右から左へ流したらいたく感謝されて隣国の大臣や王様達にお目通りすることもした。うちの王国に感謝状とか送っておくといっていたけど気にしなくていいのにね。病人が助かったんだからそれで良いと思う。
「やっぱり
「仰る通りだわー」
隣国の偉い人達と会食をして、今後とも良い関係をと感謝された帰りに供回りを務めたリンナと、そんな風に軽口をたたき合いホクホクしながら飛んで帰るのだった。
・・・ちなみに隣国から直接買い付けた香辛料の原価は国内で流通している価格の10分の1程度だったので、レテネーブル商会が売る際には片道1週間ほどかかる山越え砂漠越えの人件費や道中の商隊の護衛といった経費が掛かる分を価格に上乗せして売っているんだろう。
だがしかし!俺がコメットで飛んで輸入するとそう言った費用がかからず、しかも1日飛べば済むので速い、安い、旨いと3拍子揃っている。
そもそも仕入れにかかる移動の経費がほぼ0なので、その分香辛料の仕入れ価格・・・買い付ける時に支払うお金に上乗せすらできる。
俺はレテネーブル商会よりも高い値段で買い付けて、国内ではレテネーブル商会よりも安い値段で売ることも出来てしまうのだ。というわけでレテネーブル商会が仕入れている仕入れ値の3倍の値段をつけて買うようにしたので隣国の卸問屋は喜んで大量に売ってくれた。
そして家の倉庫には本来であれば希少な筈の香辛料の山が出来ていた。
「これ・・・
キリコ、リンナ、コメットと一緒に香辛料の山を眺めながらあまりに上手く行き過ぎたことにリンナが乾いた笑いを浮かべているけれど、ぶっちゃけ俺もそう思う。
「別に死んでもいい人なので何も問題ないのでは?罪のない従業員達の働き口はは私がなんとかしますよ」
ヒューッ、キリコちゃんCOOL!まぁでもそうね、死んだなら死んだで別にいいもんな!!むしろ死ぬが良い。
という訳で安価に山のように仕入れた香辛料を、レテネーブル商会が流通させている価格の半分程度で国内に流通させると、香辛料が見事に価格崩壊を起こした。
とはいえそれは悪い事ではなく、これまでレテネーブル商会が独占して高値を付けていた香辛料が半額で出回るようになったので貴族だけでなく庶民にも手が届くようになり大いに感謝された。
反面、独占していた香辛料が安価に出回っただけでなく、俺が商会の仕入れ値以上の値段で買い付けるようになったことで隣国はレテネーブル商会へ今までの価格で香辛料を卸さなくなった。今までの値段では仕入れをできない上に自社の仕入れのコスト以下の値段で商品を流通させられては文字通りに商売あがったりで、レテネーブル商会が文句を言ってきたけどそれについては企業努力が足りないんだろうと一蹴してやった。奴ら、顔真っ赤にして憤死しそうになりながら言い返せずにスゴスゴと引っ込んでいったのでスカッとしたぜ。
というわけでレテネーブル商会の既得権益をぶっ壊して香辛料が安価に安定して大量に市場に出回るようになり尻軽女の実家は収入の大半を占める商材を喪い、虫の息になってる。ざまぁ!
王宮から一般家庭まで、香辛料が安価に安定して供給できるようになり食卓には革命が起きたと言っても良い。なんだ、タリアの実家と親が大損して人生詰んだ以外みんなハッピー、俺もハッピーじゃないか。
いや~~~~、良い事をすると気分がいい!!最高の気分だなぁ!!!
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