教職員の思想影響による校則の変遷と児童生徒への影響ー北海道鴉在町を事例としてー 柿本依織¹
要旨
一般に校則は,学校が教育目的を達成するために,児童生徒の学習・生活における規律として定められる.その内容は社会的通念に照らして合理的であり,各学校および地域の状況に即していることが求められる.しかし、近年では「ブラック校則」と称されるような,非合理的かつ不条理な校則を掲げる学校も少なくない.校則を制定する権限は主に各学校の運営責任者である校長にあるとされているが,細かな規定の明文化や運用は,実際に児童生徒と生活を共にする教職員らによって行われる例が多い.したがって,この「ブラック校則」は,各学校の教職員による独善的あるいは支配的な教育理念によって制定・運用されていると考えられる.
そこで本研究は,北海道金田井市鴉在町一帯の学校群に制定された不可解な校則群を事例として取り上げ,教職員個人の思想遷移がこれらの校則制定と変遷に与えた影響,およびそれに伴う児童生徒への影響を明らかにする.
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