神話時代
ある時、現世に、二人の神が堕とされる。
一人は、光より生まれし、ルクス。知恵ある人の子を具していた。
一人は、闇より生まれし、ノクス。魔に染まりし獣の子を具していた。
二人の神は、現世を巡って争った。
ルクスは、その眩き光の力で、闇の獣たちを祓った。
ノクスは、一部の人の子に魔を取り憑かせ、力を与えた。
すると、知恵ある人の子は、人の子同士で争いを始めた。
終いには、ルクスを裏切り、力を与えてくれたノクスを慕う者まで現れる始末。
ルクスは、力に溺れた人の子らを抑えつけ、筆頭の者たちを自らの手で処刑した。
力を持たざる者を守るために、自身の率いるべき子たちに手をかけてしまった。
それは、神々にとっては罪に値する行為であった。
ルクスは自身の罪を認め、生まれ出し処へ還る決断をした。
だがそうすれば、この地は闇に覆われ、残された人の子たちが滅んでしまう。
そこでルクスは、秩序の神ヌラに仲裁を頼んだ。
ヌラは、この戦いに引き分けの裁断を下した。
ルクスの罪を咎めると同時に、
光に属する人の子を魔に属させたノクスの行為を罪とした。
最後にヌラは、現世を、光と闇が均衡をなし廻り廻る世界へと変えた。
そして、自身の存在を隠し、地上を離れる。
ノクスは、罪の償いとして闇の神としての権限を手放すことを選んだ。
そして、ノクスはある人の子に転生した。
闇の神という管理者のいなくなった闇世は、ヌラの管理の下、輪廻という秩序を手に入れた。
しかしノクスは、最期に遺した魔に取り憑かれ、魔王となったのだ。
ルクスは、魔王の手から人の子を守らねばならなかった。
しかし、魔王とはいえ人の子に再び手をかけるわけにはいかない。
すぐには不可能だ、と悟った。
ルクスは、側近に光の力を与え、結界で国境を引き、王国を建てさせた。
遠き未来に、魔王の宿命を背負いし人の子を輪廻から救う手立てを残し、
そして、地上を去った。
こうして出来たのが、ソルアラ王国である。
「女神、民をして神殿を建てさす。遥か
聖なる光の加護を賜りし王に告ぐ。
祖国ソルアラの三の門を閉じよ。女神、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます