『スキルの裏に潜むバグを直したら、異世界の理まで書き換えられる件』──この世界は、動いている。コードのように。
Log.20_GLOBAL_REBOOT(グローバルリブート) - 世界の“再初期化”と《起源(ルート)への追跡》
Log.20_GLOBAL_REBOOT(グローバルリブート) - 世界の“再初期化”と《起源(ルート)への追跡》
村に平穏が戻った。マナ吸い上げ装置は停止し、巫女の偽りの神言は瓦解した。村人たちは長年の欺瞞から解き放たれ、怒りと安堵を胸に、互いの顔を見つめ合っている。
───SYSTEM LOG───
\[VILLAGE\_SYSTEM\_STATUS: Recovering]
MODULE: Resource\_Management / SUBMODULE: Mana\_Flow
STATUS: Stabilizing / REASON: Mana\_Extraction\_Device\_SHUTDOWN
NOTE: Local environment parameters returning to baseline.
─────────────────
蒼穹の下、村はその傷を癒しつつあった。だが、悠斗の「DebugView」は、その背景で別の命令を示していた――
───SYSTEM ALERT───
\[GLOBAL\_ANOMALY: High]
MODULE: World\_Generation / SUBMODULE: Terrain\_Stability
STATUS: CRITICAL / REASON: Uncontrolled\_Mana\_Surge
NOTE: Forced shutdown of Mana\_Extraction\_Device has destabilized global mana flow.
WARNING: Catastrophic system failure imminent. Reinitialization protocols detected.
─────────────────
「世界の再初期化が…始まろうとしている」
その文字が、悠斗の胸に冷たい衝撃を刻む。彼の身体から魔力が抜け落ち、MPは残りわずか…
───UNIT STATUS───
\[User ID: ASAGIRI.YUTO]
MP: 1/50 (Emergency)
SKILLS: DebugView (System Root Access – Critical)
─────────────────
身体は重く、視界が霞む。悠斗の瞳は、それでも強く澄んでいた。
レナが駆け寄り、彼を支える。
「悠斗さん、大丈夫!?世界が…壊れるみたい!」
その声にかすかな震えが混じる。レナの魔力感知が、世界の魔力嵐を告げていた。
セリアは剣を握りしめ、背後を警戒しながら空を見上げた。
「こんな光景、初めてですわ…大地が苦しんでいるんです」
震えるレナにセリアが静かに寄り添う。
「レナ、怖がるな。君は…よくやった。その魔力が村を救った」
レナは小さく息を飲み、目を伏せて言い淀む。
「でも…それが、世界を壊すかもしれないなんて」
悠斗も重い声を紡ぐ。
「君の責任じゃない。これは…仕組まれた“仕様”の暴走なんだ」
静寂が3人を包む中、レナの肩が震え、セリアがそっと背を抱き寄せる。
「一緒に…止めましょう、この先の“再起動”を」
その言葉には恐れ以上の信頼があった。
悠斗はかすかに笑みを浮かべ、MP残量を気にしながらも意思を固めた。
「今、僕がこの場でできることは限られている。でも…」
彼の頭上に浮かぶ SYSTEM LOG が次々と切り替わる。
───SYSTEM LOG───
\[PRIMARY\_OBJECTIVE\_UPDATED]
FROM: Local\_Bug\_Fixing
TO: Global\_System\_Analysis (Root\_Cause\_Identification)
NOTE: Pursue the world’s original design document.
─────────────────
「次の目的は…世界の設計書の発見。そこに“再初期化”を止める鍵があるはずだ」
レナはその言葉に求めるように目を見開き、セリアは剣を穏やかに鞘に戻す。二人の瞳に、“旅の意味”が改めて刻まれた。
「ただの修正屋じゃない。真実をその手で書き換える者になる…」
夜空の闇から、微かな音が立ち上る。
それはシステムのアクセス音か、創造者の意思か…。
「僕たち…本当に、できるかな」
レナの言葉にセリアが頷き、二人は悠斗に寄り添う。
悠斗は軽く笑い、静かに答える。
「でも、止まらない。戻れないから。ここからが、本当の旅だ――世界の根源へ」
夜風が3人を包み込む。
その背には、瓦礫を抱く村と、揺らぐ大地の余震が余韻となって響いていた。
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