002.透明なペンケースを使っている
子どもの頃、大きなペンポーチを持つことが流行った。大きなペンポーチにたくさんのボールペンを入れていることが女の子にとってのステイタスだった。私も当時は流行に乗って大きなペンポーチを持っていた。しかしこの大きなペンポーチは使いづらかった。ペンポーチを底までひっくり返しても、必要なペンが出てこない。大きいゆえに奥の方は暗くなって見づらく、中の文房具を探しづらかった。
大人になってからは、私はペンケースをずっと透明なものにしている。ブランドもずっと同じものだ。色違いのものはたまに買うが、違うペンケースを持つことはほとんどない。ペンケースが透明だと、中に入っているものがとても見やすい。軽度のADHDである私は、「見えないものは存在しない」と認識してしまうため、中のものが見える収納用具を使う。見えると存在を思い出すことができ、忘れ物をしにくくなる。また、透明だと周囲の光が入るので、文房具を探すときに真っ暗で見えないということもない。ずっと同じブランドだと、「もっといいものがあるのではないか」と迷うこともない。かくして私は、何度も透明なペンケースを買う習慣が身についた。もちろん、プラスチックやビニール特有の安っぽさはある。しかしそれは裏を返せば、気軽に買えて気軽に捨てられるということでもある。透明であれば中の汚れにも気づきやすい。安っぽさがかならずしも悪というわけではない。使いやすいものは、見た目では決まらないのだ。
#わたしの筆箱紹介
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