金曜連続殺人事件

通りすがり

第1話:これは序章

しらせをくれたのは、友人からのスマートフォンだった。

 わたしがこの事件を最初に知ったのは、深夜0時すぎ、眠気まなこで応じた私に、

「まさかこんなことになるなんてね」と彼女はつぶやいた。

 ちいさな町で人が死ぬなんて、滅多にないこと。

んだよ、何が起きたの?と聞き返すと、彼女は一枚の写真を送ってきた。

 古びた交差点、立ち入り禁止の黄色いテープが夜風に揺れていた。

はっきりとは写っていないが、その中央に横たわる人影。

 誰もいないはずの夜道で、それは確かに死を告げていた。

ん?既視感。そう思って、私は数週間前の記憶を探った。

 ひとつ、ふたつ、点と点をつなぐように、浮かび上がる断片。

2週前にも、あの場所で女性の遺体が発見されたニュースを見た気がする。

 まだ未解決のはずだった。警察は事件性を否定していたが——。

んな偶然が、二度も続くものだろうか。

 私の中で、何かが確実に形を成し始めていた。

はんにんは、まだそこにいるのかもしれない。

 平和に見える街の裏で、静かに呼吸をしているのかもしれない。

つめたくなった背中を押さえながら、私は携帯を強く握りしめた。

 画面の中の、誰かの投稿が視界に映った。

かくされたヒントは、最初からあったのだ。

 あとは、それに気づけるかどうか。

さて、これはきっとまだ、始まりにすぎない。

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