『NOA: Reincarnated for Revenge(復讐のための転生)』

mikioneko

第1話 始まり

 玄関から慌ててリビングに入ると、そこには目を疑うような光景が広がっていた。


 床にはべっとりと血液が溜まり、壁には飛び散った血と手の形があった。


 ――何が起こっている??


 部屋の隅で、血に染まったナイフを持った男が、返り血を浴びた顔をこちらに向けた。

「だれだ?」と呟いたように見えた。


 ――あいつは・・・?


 リビングの奥に家族が血まみれで、重なりあうようにして倒れていた。


 ――えっ・・・!?なに・・?? な、なんてことを・・・・!!!! 

 

 絶句した。


「おまえぇぇぇぇーーーーっ!!!なにしてるんだぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!!」


 思わず叫んだ。


 ――こいつがやったのか・・・許さない・・・・っ!!!


 そう思うのと同時に体が勝手に動いて、男に向かって行った。

 男もこちらを見ると、笑いながらナイフを構えて、すごい勢いで迫ってきた。


「ングッ!!」


 咄嗟に体を躱そうとした瞬間、強い衝撃とともに、腹部に鋭い痛みが走った。


 ――・・・クソッ!!さ、刺された・・・!!


 刺したナイフを横に切り裂こうとした。

「があぁぁぁ・・・」


 ――こいつ・・確実に殺そうとしてやがる・・・それに笑ってる・・・。

 ブチッと頭の中で音がした。


「クソ野郎ぉぉぉぉ――――!!! ああああああああああああーーーーーーーっ!!!」


 全身が震えた。


 だが、これは決して恐怖ではない・・・・・・。


 ―――怒りだ。


 刺したその男の腕を掴むのと同時に髪の毛を鷲掴みにして、引き倒して覆いかぶさり、自分に刺さっているナイフを抜く。


 両手で持ったそのナイフを、男のニヤついた顔面目掛けて渾身の力で振り下ろした。


 グサッグサッグサッと、なんどもなんどもなんどもなんども・・・・・。


 同時に自分の体から血液が噴き出している。


 徐々に意識が遠のいてゆく・・・

 真っ暗な闇の中で・・・



「わたし・・・死ぬんだ・・・・・・」

 


 ・・・と呟いた・・・。

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