転生したらTikTokのダンスが異世界の召喚術だった

いろは

第1話 ダンスで召喚!?異世界の第一歩


星奈々美、17歳。東京の高校に通う普通の女子高生だ。放課後の教室で、スマホを手にTikTokのダンス動画を撮影中。「よし、今回の振り付けバッチリ! これでフォロワー100万いけるかも!」と、ななみは得意のK-POP風ダンスをキメる。だが、投稿ボタンを押す直前、教室が眩い光に包まれた。「え、なにこれ!?」次の瞬間、彼女の意識は途切れる。


目を開けると、ななみは見知らぬ森の中にいた。木々の間から漏れる光、遠くで響く鳥の声、そして…手に握られたスマホ。「え、スマホ持ったまま!? ていうか、ここどこ!?」画面を見ると、電波はゼロなのに、謎のアプリ「SummonDance」が勝手にインストールされている。試しに開くと、画面に「初回チュートリアル: ダンスで召喚を始めよう!」とポップアップ。「は!? ゲーム!? いや、状況ヤバすぎでしょ!」


そこへ、ガサガサと茂みから巨大な狼のような魔獣が現れる。「うそ、襲われる!?」パニックになりながら、ななみは無意識にスマホを手にダンスを始める。いつものTikTokのノリで、最新のトレンド曲に合わせて腰を振ると、地面に光る魔法陣が浮かび上がる。「え、なにこれ!?」次の瞬間、魔法陣から炎をまとった小さなドラゴンがポップ!「ガオー!」と吠え、魔獣を一撃で撃退。


「…は!? 私が召喚したの!?」呆然とするななみ。すると、森の奥からローブ姿の少女が現れる。「お主、見たことのない召喚術! 何者だ!?」少女はリリア、ルミナス・アカデミーの生徒で、魔獣の調査に来ていたらしい。「とにかく、こんな辺境で放置できない。お主、学園に来なさい!」半ば強引に、リリアに連れられ、ななみは異世界の魔法学園へ向かう。


ルミナス・アカデミーは、巨大な城のような校舎に魔法の光がきらめく場所。転入手続きを済ませ、ななみは「星・ナナミ」として1年C組に編入される。教室に入ると、貴族風の生徒たちがチラチラと視線を投げてくる。「なんだ、あの田舎者っぽい子」「転入生? どうせ弱い召喚士だろ」とヒソヒソ声。ななみは内心ムッとしながらも、「まぁ、初日だし、穏便にいこ!」と笑顔でスルー。


だが、初日の授業「召喚術実技」で、早くも波乱が。担当教師のガルドは、転入生を試すとばかりに、ななみを名指しで実技試験に指名。「さぁ、新入り! 召喚獣を見せてみろ!」と高圧的に迫る。クラスメイトの視線が集まる中、ななみはスマホを取り出し、「えっと、さっきのダンスでいいよね?」と、TikTokでお気に入りの振り付けを披露。軽快なステップでリズムを刻むと、教室の床に魔法陣が輝き、炎のドラゴンが再び出現!「ガオー!」と咆哮し、試験用の的を一瞬で焼き尽くす。


教室が静まり返る。「…な、なんだあの召喚術!」「魔法陣を踊るだけで!?」と生徒たちがざわつく。ガルドも目を丸くし、「お、お前…その術はどこで!?」とななみを詰問。だが、ななみは「え、TikTokのダンスですけど?」とキョトン。リリアがすかさず割り込み、「先生、彼女の能力は未知数です。特別クラスへの編入を提案します!」と進言。ガルドは渋々認め、ななみは「特進クラス」への昇格が決定。


放課後、リリアに連れられ、ななみは特進クラスの教室へ。そこには、自信満々の貴族令嬢エレナと、クールな剣士少年カイトが待っていた。「ふん、ダンスで召喚? そんなふざけた術で特進クラスだなんて」とエレナが皮肉る。カイトは無言でななみを観察。気まずい雰囲気に、ななみは「まぁ、仲良くやろーよ!」と笑顔で誤魔化すが、内心「やばい、めっちゃ敵視されてる…」と焦る。


その夜、寮の自室で、ななみはスマホの「SummonDance」を開く。画面には「次のダンス: 風の精霊召喚」が表示され、新たな振り付けが流れる。「え、これマジでTikTokみたいじゃん! でも、なんで私がこんな目に…?」と呟きつつ、異世界でのサバイバルを決意。だが、窓の外で怪しい影が動く。学園の裏では、ななみの召喚術を危険視する勢力が動き始めていた…。

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