第50話「私の覚悟と両親への謝罪」

#第50話「私の覚悟と両親への謝罪」


みんなに認めてもらえていることが嬉しくて家族の前で大泣きした後、私は1つの決意をしていた。


いつまでも逃げているわけにはいかない。

私には両親にちゃんと話さなければならないことがある。


それは……私は、結婚するつもりがないということだ。おそらくこの先もずっと、一生結婚することはないと思う。

言葉にするだけで胸が詰まった。でも、これは私の本心だ。


これはルカをはじめとした兄弟姉妹には言えないことだ。きっと気を遣わせてしまう。

でも両親にだけは話しないと駄目だろう。いつまでもごまかし続けるわけにはいかない。



仕事がひと段落した夕暮れどき、私は勇気を出して両親を呼び止めた。

「話があるの」と切り出し、深く息を吸う。


父さんの執務室、そして私はその部屋の鍵をした。両親も私の決意を感じたのだろう。真剣に私のことを見ている。


そして私は両親に伝えた。


「父さん、母さん、ごめんなさい。私は……たぶん、結婚しないと思う。これからずっと一生、独身でいると思う」


母さんが少し目を見開いた。父さんは黙って私を見つめている。


「私はこの領が好きなの。家族が好きで、みんなと離れたくない。特に……ルカと離れるのは嫌」


言ってから、自分でも驚くほど胸が熱くなった。


「婿をとるのも嫌。昔、私が苦しかったとき──助けてくれたのは、父さんと母さん、そして兄弟姉妹だけだった。他の誰もが助けてくれなかった。私の支えは今の家族だけ」


「私が魔法使いとして有名になってから言い寄ってくる人と一緒になるなんて、絶対に考えられない」


私はきっぱりとそう言い切った。

そして、頭を下げた。


「だから、ごめんなさい。私が結婚することも……将来、子どもを産むことも、跡取りを育てることも、私はきっとできません……」


沈黙が流れる中、父さんが口を開いた。

「そうか……それでもいい。リリアがそう望むのなら」


母さんが優しく私の手を握った。

「今まで、領のことをずっと背負わせてきてごめんね」


「ううん、それは違う、領を支えるのは私が好きでやってきたことだよ」

そう言っても、母さんは首を振った。


「これからは、リリアの人生を歩んでいいのよ」

その母さんの言葉に父さんも頷いてくれた。


「一生、独身でもいい。リリアが後悔しないというならばそれでいい。これからは自分の人生を歩んで欲しい」

父さんのその言葉に、胸がじんと熱くなる。


「幸い、我が家にはリリアの兄弟姉妹がたくさんいる。その中の誰かが孫を産んで跡を継ぐ。だから、リリアは気にせず自分の道を進めばいい」


私は、泣きそうになった。

受け入れてもらえた。私は、自分の人生を自分で選んでもいいのだ。


普通の親だったら怒られたかもしれない。泣き出したかもしれない。私への説得を試みたかもしれない。でも私の親は2人共に私の意思を尊重してくれる。


間違いなく悲しい気持ちもあるだろう。でも全くそれを見せないでくれている。きっと私のことを思ってのことだ。


ありがとう、父さん。ありがとう、母さん。私はやっぱり2人の子供で良かったと思う。


申し訳ないという気持ちは今でもあるが……やはりこの考えは曲げられそうにない。私は自分を曲げず今のまま生きていこうと思う。

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