第二弾

無題 遅れた贈り物


【結果は…51】


……



カチッカチッカチッ……


やあ、僕はwkwk。助手にゴ◾️リはいないし、別に工作も得意じゃないけれど、女装が得意なハンサム紳士系の神器使い兼、有名小説家さ…ふふ。


今、何をしてるのかって?掃除さ♪山積みになった男なら誰でも持ってる『参考書』を屋根裏に収納して、空になったプロテインをゴミ袋に入れているんだ。


先週……動機は知らないけど、僕を抹殺しようとして失敗した、陰キャ系クソラック召喚術師兼、底辺小説家の蠱毒 暦から連絡が来て、今日…僕の家に来るらしいからね。


当時、トイレで死闘を繰り広げてたり、全国のおにゃのこ達を魅了させる新作を執筆してたから、朝に特上マグロ軍艦を食べてなかったら…忘れたままだったかもしれない。


どの道…夏休みの宿題は、最終日にやる派だからしょうがない。あ。そういえば…蠱毒 暦から僕宛のプレゼントが届いていたんだ。


いつも使っている机の隅っこに置かれた箱を、ちゃぶ台の上に置き、僕の顔面みたいに綺麗になった部屋を眺めて愉悦に浸っていると、不意にドアベルが鳴った。


「……来たか。」


強制的に館に来させられた時、仮面をつけてたから地味に気になってたんだ。君は可愛いおにゃのこなのか…それとも……


ガチャ


「んんっ…Welcome to wkwk's House!!!」


「…ここがwkwkの家でいいんだな?」


背中にスナイパーライフル背負い、黒髪で僕よりも年上っぽい、マフィアみたいな風貌をした男が現れて、目をぱちくりとした。


「蠱毒 暦…もっと小柄だったような。」


「俺は長谷川はせがわ 家蔵いえぞう。とある組織に身を置く者で、病院にいる作者の代理だ。そんな事よりお前…赤いリボンで包装された白い箱を送られてないか?」


「それなら、ちゃぶ台の上に置いている…って、ちょっと…」


緊迫した表情で、靴のまま家に入っていくので、僕は玄関に置きっぱなしにしていた雑巾を使って床を綺麗にしながら追いかけると、リボンを解いて、箱を開けていた。


「やはりか…お前も見てみろ。」


男から箱を渡されて中身を確認すると、何とカチッカチッカチッ…と、時計の針が動く毎に、規則的に音を発している



——時限爆弾が入っていた。



「家は代々デジタル時計だから最近になって、どうして、時計の針みたいな音が鳴っていたのか不思議だったが…こういう事か!」


「3日前…お前宛で、作者にも送られてな…すぐに解除しようとしてたんだが、赤か青かの2分の1を外して、爆散した…全治2週間だそうだ。」


に、2週間!?なるほど…道理で、応援コメントが遅れる筈だ。僕は箱から時限爆弾を取り出す。


「おっ…裏側にそれっぽいのがあった。蠱毒 暦はどっちを切ったのかな?」


「赤だ。」


「なら青を斬れば問題ないっ!!!」


「…っ、待て。」



【判定…成功しました。】



面倒だからと、神器(刀)を取り出して斬ろうとするのを、男に止められた。


「早まるな…作者の時限爆弾と形状が僅かに違う。」


「え…えぇ!?そうなのかい?」


もしそうだとしたら、僕の紡ぐ物語を期待の眼差しで待っていた、おにゃのこ達を残し、爆散していただろう…危ない危ない。


「まだ針が真上にいっていないようだし…ここは、シンキングタイムと行こうじゃないか!君も座りたまえ…靴は脱いでくれよ?」


「…分かった。」



……2分後



ピキーン!!!!と閃きが降りて来た…流石は僕!!!


「待てよ。適当な場所に捨てちゃえば…解決なのではないかな?」


「やめておけ。作者も同じ手法を取ったらしいが…すぐに、自分の目の前に現れたそうだ。」


マジか…


「なら、壊して無力化は?例えば、そのライフルで遠距離狙撃…とかで。」


そう言うと、男はちゃぶ台の真ん中に置かれた時限爆弾を一瞥した。


「言うのを忘れていたが…宛先に選ばれた者以外、時限爆弾に対して干渉する事は出来ないんだ。」


「…僕にしか、この時限爆弾をどうこう出来ないって事?」


「ああ…出来るなら、超遠方から俺がとっくに狙撃で無力化している。直接ここに出向くまでもなくな。」


「…しかし」と話を続ける。


「攻撃手段が皆無な作者と違い…未知数だが、神器を使えば、どうにかなるかもしれない。」


「そう言うなら、斬らせてよ…!!!確率は2分の1なんだからさっ☆」


「だが、斬る力を誤ればばお前も作者同様、爆散する可能性がある。危険な賭けだ。」


ふっ。蠱毒 暦と違って、僕はおにゃのこは勿論、世界中の神様にも愛されて……はっ!?


「では…こうしようじゃあないか。」


「……?」


……


【結果は…106】



我ながら僕は天才だ。男が使えないなら、僕がスナイパーライフルを使えばいい。


家から離れた丘に着いた僕は男から渡されたトランシーバーで連絡を取る。


ザザッ……


「ポイントに到着した。箱はまだ家にある?」


『ああ。お前…使い方は分かるな?』


「長々と説明されたからね…何事も練習さ。」


スコープを覗き、標準を合わせた。


「ふぅ…」


これが終わったら…お見舞いくらいは行ってあげよう。


「それにしても…僕を爆散しようとさせるなんて、どんな不遜な奴かは知らないけど…後で、相応の報復はしとかないとな。」


さあ、終わりの時間だ。


……


wkwk殿…否、別時空から迷い込んだ者よ。


『裁定神』として本来、過度な干渉をするつもりはなかったが……


貴君には…あらゆる概念を創世した泉様を我が物としてこき使い、無防備な須藤すどう 明日香あすかに対して下着を覗くといった、セクハラを働いた罪がある。


よって『中立神』カオス様の代理人である『裁定神』エクレールが、判決を言い渡す。


被告人。wkwk…貴君は有罪により


【最近、執筆作業を怠けていた蠱毒 暦、同様…爆散せよ。】


……


裏でそんな事があったなんて、知らない僕は、引き金を引いた。


『…おい、箱が消えたぞ!?』


「ふぇ?」


次の瞬間、目の前に時限爆弾がポンっと現れ…僕はなす術もなく爆散してしまった。



                全治2週間!!!!

































































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ひょんな思いつき 蠱毒 暦 @yamayama18

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