恒常性と一手

包丁を怖いと思うのと同じ気持ちでこどもを怖いと思う

髪の毛を相談せずに鈍色に染めてしまって怒られている

固いもの噛むときに獣じむ顔あなたはナイフも使える人だ

差し出すときめれば膝をつくようにあなたに桃を剥く日々よ

薔薇の花百本ほしいそれだけの価値があたしに欲しかった今世

花の名に詳しいあなたが捨てていたみかんの白いとこはアルベド

オレンジに切り方がある断面のきれいなことは食べやすいこと

その棚の奥のあっそこ開けないでってところにあなたを閉まっているよ

ウェブテストよりだめなセックスがしたい未来永劫好きでいるから

明かさない夜には序章だけがあり紡がなければ永遠だった