第2話 「自由」との出会い
竜の王に課せられた使命、それは「竜の都」に辿り着いたものに『試練』を与えることだった。試練を突破した者は望むものを何でも与えると言う「神」の宣言により、かつて生きとし生けるものは都を目指した。『試練』の突破条件は実に単純で、それは竜の王に求めるもので勝利することである。
ある時、「力」を求める獣が現れた。なんのことはない。前足で頭を潰した。
ある時、「知恵」を求める愚者が現れた。なんのことはない。その者の未だ解けぬ問いに答えを示した。
ある時、「勇気」を求める臆病者が現れた。なんのことはない。死地に赴き、平然と帰ってきた。「自我」を、「永遠」を、あらゆる物を求める者を打ち砕き、『試練』はいずれ竜の王の噂とともに、突破できない伝承として語られる事となった。
傷ついた同胞を迎えながら「人間」を憎しむ竜の王の前に、1人の人間があらわれ、名乗った。
アーリオ「俺はアーリオ!!自由の体現者で、『試練』を超えに来た英雄だァ!!」
何を馬鹿なことをと、竜の王は眼の前の愚物を嘲笑った。人の身で『試練』に挑みに来ただけでなく、「自由」を望むなどと。竜の王は本心から自分が世界で最も自由だと疑わなかった。そして『試練』が始まったが、アーリオと名乗った男はすぐに都の外まで出てしまった。竜の王は「何故逃げる。怖気づいたか?」と問うた。そうしたら男は
アーリオ「お前はここから出られないんだろ?だったら俺の方が自由じゃねェか。」とのたまった。竜の王は確かにそれを否定できなかった。それ以上に、「自由」な男を羨ましく思った。そうして「自由」を手に入れたアーリオは、竜の王と親しくなっていった。
そして彼の口から語られる、彼が見た「人間」の姿。それが竜の王の価値観を変えていく。
3話へ続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます