第32話 廃墟の罠

健太が廃校周辺のネットワークを解析すると、複数の隠しカメラとセンサーが設置されていることが判明した。

やはり元教師は、警察の動きを察知し、罠を仕掛けていたのだ。美羽は、直ちに五十嵐刑事にその情報を伝えた。


「五十嵐さん、気をつけてください!廃校の周囲に監視カメラとセンサーが仕掛けられています。彼は、私たちの動きをすべて把握しています!」美羽の警告に、五十嵐刑事は顔色を変えた。

警察は、周到に準備された罠に、危うく足を踏み入れそうになっていたのだ。


五十嵐刑事は、突入部隊に警戒を促し、隠しカメラやセンサーを無力化するための作戦に切り替えた。

健太は、美羽の指示を受け、遠隔操作で監視カメラのシステムに侵入し、映像をかく乱させることに成功した。

これにより、元教師は、警察の正確な動きを把握できなくなった。


美羽たちは、廃校の裏口から侵入することにした。

そこは、元教師のSNS投稿には一度も登場しない場所だった。

薄暗い廊下を進むと、埃とカビの匂いが充満していた。

美羽は、一歩一歩慎重に進みながら、SNSで見た元教師の過去の投稿を思い返していた。

彼の投稿には、復讐心だけでなく、どこか諦めや、虚しさのような感情も読み取れた。

彼は、本当に復讐を果たしたかっただけなのか、それとも、もっと別の目的があったのか。


廃校の最深部、かつて職員室として使われていた部屋から、微かな光が漏れているのが見えた。

美羽と五十嵐刑事は、音を立てずにその部屋に近づいた。

扉の隙間から中を覗くと、モニターがいくつも並べられ、大量のサーバー機器が稼働しているのが見えた。

そこは、サイバー犯罪グループの司令塔であり、元教師の「聖域」となっていた場所だった。


その部屋には、元教師が一人で座っていた。

彼は、モニターに映し出された無数のデータを見つめながら、何事かを呟いている。

その表情は、疲弊しきっているようにも、狂気に満ちているようにも見えた。

美羽は、彼の背後から、彼が何を企んでいるのかを読み取ろうとした。

しかし、その時、部屋の奥から、別の人物の気配がした。

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