第7話 残されたアクセサリー
廃工場跡地で発見した落書きが「シャドウ」からのメッセージであると確信した美羽と健太は、さらに工場内を探索した。
薄暗い瓦礫の山の中を注意深く進む美羽の目に、キラリと光るものが入った。
それは、楓が普段身に着けていたものに酷似した、特徴的なデザインのアクセサリーの破片だった。
「健太!これ見て!」美羽は声を上げた。
健太も駆け寄って、その破片を慎重に拾い上げた。
それは、細工の施された金属の飾りで、明らかに無理な力が加わって引きちぎられたような痕跡があった。
「これは…楓さんがよくつけてたブレスレットの一部じゃないか?」
健太が言った。
美羽は頷いた。
「間違いないわ。これ、前に楓さんのインスタのストーリーで見たものと全く同じよ。ということは、楓さん、ここで何らかの事件に巻き込まれたのね。」
アクセサリーの破片は、楓がこの場所を訪れた決定的な証拠であり、同時に争った形跡を示唆していた。
美羽の脳裏に、最悪の可能性がよぎる。
これは、単なる失踪事件ではない。殺人事件に発展しているのかもしれない。
美羽の顔から血の気が引いた。
その頃、五十嵐刑事は、中村悠斗の取り調べを続けていた。
中村は、依然として楓の失踪には関与していないと主張するものの、その言動には動揺が見え隠れしていた。
五十嵐刑事は、彼の供述に不審な点が多いと感じていた。
私立探偵の大山剛も、独自の調査で廃工場跡地に注目しており、警察の捜査とは別に現場周辺の聞き込みを行っていた。
大山は、美羽たちの行動を遠巻きに観察し始めていた。
廃工場での発見、そして「シャドウ」からのメッセージ。
すべての情報が、楓の失踪がただの家出ではないことを示唆していた。
美羽は、次にどこを当たるべきか、健太と徹夜で話し合った。
美羽は、楓が過去に投稿した写真の、誰もが気にも留めなかった**「共有情報の盲点」**にこそ、事件解決の鍵が隠されているのではないかと考え始めていた。
何か、あまりにも当たり前に存在するため、情報として認識されないような、些細なヒントが隠されているはずだ、と。
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