点と船
@nemuizou
第1話
「船体番号458、艦長リドリー・アンダーソン。認証しました」
機械音が鳴ったのと同時に、ハッチが開いた。
「アラン・マックさんですか? お手紙をお届けに参りました」
声をかけると、ハッチの奥から人が現れた。
「そうです。にしても、長距離の配送ご苦労様です」
男はそう言いながら、手渡された端末に印鑑を押した。
「それにしても不思議ですよね。人類が宇宙に出たら、通信
手段が電波から手紙に後戻りするなんて全く人類は本当に進歩してるのやら、、、」
そうぼやくと郵便屋は少し口角を上げ返した。
「進歩してますよ!進歩していなければ、木星と火星のテラフォーミングや、惑星間ワープ法なんて生まれていません」
そのような世間話を交わしているうちに、いつの間にか、手紙の受理が完了し、どちらとも船に戻って行った。
コックピットに戻り、体を伸ばしながら観葉植物に向かって言う。
「さあ少し休むか」
と言うと、地図で「P&L8」と入力し、目的地を設定。「PM1」と描かれた船は加速を始めた。
やがて
「ワープ認証スピードに突入ワープ可能です」
機械音声が艦内に響くと、それに合わせて郵便屋がボタンを押し、一瞬としてその場から消えた。
「ワープ完了。目的地に到着しました。」
再度機械音声に耳を傾けながら、巨大なウィンドウを見る。
そこにはP&L8と書かれた大きな球型の光を灯しながら浮かんでいた。
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