エピローグ

 そろそろ蓮の花が終わる季節に、ハクは戦艦ルーンネトラの自室でぼんやりとコーヒーをすすっていた。

鏡月湖の一件から、もう2週間が過ぎようとしている。

ハクの見つめる先には、団子屋にて3人で撮った写真と片方だけの黒い手袋があった。

写真の中の私たちは、全員笑っている。

誰1人として、悲しい顔はしていなかった。

…200年前のあの日とは、もう違う。

私には仲間や部下、友人たちがいる。

1人ではないし、誰も1人にはさせない。

今度こそ、守ってみせる。

パラパラと降る軽やかな雨の声に耳を傾けながら、ハクは静かに目を伏せた…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

月世界 忘却に消えた約束 ~友情のキセキ~ 狛銀リオ @hakuginrio

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ