エコーチェンバー
AI による概要
エコーチェンバーとは、SNSなどで自分と似た考えを持つユーザー同士でつながり、そのコミュニティ内で同じような意見ばかりが共有されることで、自身の意見が強化・増幅されてしまう現象です。閉じた部屋で音が反響する様子に例えられます。
より詳細な説明:
エコーチェンバー現象のメカニズム:
SNSで自分と似た興味関心を持つユーザーをフォローしたり、特定のコミュニティに参加することで、同じような意見や考えを持つ人々と交流する機会が増えます。その結果、自分の意見に賛同する意見ばかりが目に入り、自分の考えが正しいと強く信じてしまう、または自分の意見が世間の常識だと誤解してしまう、という現象が起こります。
Echo Chamber。直訳すると「こだまの部屋」。
内容は説明するまでもない気がするので割愛。Xやってる人なら誰もが目にした事があるでしょう。
「あ~あるある」と思った方は、自分もエコーチェンバーの影響を受けていないか内省してみることをお勧めします。
このエコーチェンバーを意図的に利用する事例があります。その一つがカルト宗教です。カルト宗教はエコーチェンバーの効果を最大限に活かし、言語を書き換え、あなたの頭の中の“辞書を上書き”します。すると、おどろく程簡単に人はマインドコントロールされてしまうのです。
『20世紀少年』を例に説明します。
作中に登場する「ともだち」は、自分を神のように崇めさせるカルト的指導者です。彼は世界規模の虐殺テロを自作自演し、世界を救った英雄として世界に崇められ、日本を、そして世界を牛耳ります。
この、自身を「ともだち」と呼ばせる行為、これが“辞書の上書き”です。あの世界では、「ともだち」という単語が本来の意味ではなく、一人の指導者を指す言葉になっています。しかし、元の意味の「友達」に含まれるニュアンス、イメージは言葉を使う人間の頭の片隅に残り続けます。したがって、民衆は「ともだち」に無意識下で友好的な、自分の味方といった印象を持ちます。乱暴に言うと、「ともだち」という一人の指導者の事を自分の「友達」だと勘違いしてしまうわけです。
もう一つ、「ともだち」が初期に設立したカルト宗教では「絶交」という彼らの中でだけ別の意味を持つ単語が登場します。粛清、暗殺を指す言葉です。「暗殺」「殺害」を命じられた際に当然かかる心理的ブレーキを「絶交」という一般人でも出来る行為の単語で辞書を上書きして、取っ払ってしまうわけです。
漫画の話でしょ?と思う方もいるかもしれませんが、現実でも人死にが出ています。あさま山荘事件では、日本赤軍などの極左組織が内部粛清(仲間への暴力・殺害)を「総括」と呼びました。ナチスはユダヤ人の大量虐殺を「最終的解決」という行政用語で正当化しました。「パパ活」なんかもそうですね。広めてはいけない言葉だったと思います。
と、まあ、エコーチェンバーや“辞書の上書き”に関するネガティブな情報を提示することで内省を促したわけですが、ポジティブな使い方もあります。「失敗」→「学び」、メンタルヘルス系用語のポジティブ再定義、 禁煙・減量・断酒・病気・障害などの当事者SNSコミュニティetc.
しかし、無意識のうちに受けるエコーチェンバーや“辞書の上書き”は大抵、ロクな事になりません。気を付けましょう。(エコーチェンバーという言葉を知っているだけでも大分抑止力が働きます)
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私が応援しているヤクルトスワローズの一部ファンが、このエコーチェンバーと“辞書の上書き”の影響をモロに受けています。彼(彼女)らは、自分たち「ヤクルトファン」の事を「かぞく」と呼び、応援の事を「応燕」と言います。そして、この言葉を使っている人達のほとんどが監督批判や選手批判に対して、感情を露わにし、拒否反応を見せます。きっと、監督や選手、「かぞく」を自称するファンの事を自分の「家族」と勘違いしてしまっているんでしょうね。完全に教祖のいない“信者”達ですよ。
P.S.私はどれだけ連敗しても、どれだけ不快な采配を見せつけられても、ヤクルトファンを辞められません。ヤクルトスワローズで溜めたストレスをヤクルト1000で緩和する日々……知人からはヤクルトの“奴隷”と言われました。
そんな男が書いた『ゴーストマネージャー』も読んでいただけると嬉しいです。弱小球団の監督をギャンブラーが裏で操り、救うお話です。❤と☆を頂けると尚、うれしいです。
ウンチク備忘録 らいつべの狂犬 @KyoukenYomuzou
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