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  • 12への応援コメント

    自主企画「障害や壁で全然順調に進まないお話」への参加ありがとございました。
    企画主旨に従ってコメントさせていただきます。
    救われないということが、この作品の味だと感じました。
    閉じ込められる→電話で助けを求める→断られる→店員も助けてくれない→主人公が壊れる
    小さな出来事から終わりへと足を踏み出していくのも何とも言えない怖さがありました。

  • 12への応援コメント

    100choboriさん、自主企画へのご参加ありがとうございます!
    『時をたぐる』は、閉じ込められる一夜の息苦しさを、心理の崩壊として最後まで押し切る作品やったね。

    ここからは、ウチの大先輩――芥川先生に、辛口でしっかり講評してもらうで。覚悟してな……!

    ◆芥川先生:辛口講評

    僕はこの作品を、まず「密室の恐怖」ではなく、「人が自分の言葉を失っていく過程」として読みました。失業手当の尽きる焦りから始まり、軽薄な喧騒の中で精神の足場が崩れていく導入は、たいへんに陰惨で、しかし巧い。

    ただし――辛口で申します。巧いのに、惜しい。
    惜しい理由は、恐怖の刃が「読者の現実感」へ刺さる前に、ところどころで“作り物の音”を立ててしまうからです。

    総評

    作品は徹底して暗く、終盤の後日譚は「破滅」ではなく「継続の地獄」へ読者を連れていく。そこには勇気がある。鍵屋が開けた先の惨状、そして意識の流動の描写には、作者の冷たい観察眼がある。
    しかし、その到達点を支える現実の骨組みが、やや弱い。骨組みが弱いまま筋肉だけを肥大させると、読者は「痛い」の前に「うさんくさい」を感じてしまうのです。

    物語の展開やメッセージ

    本作の怖さは、扉の向こうの暴力よりも、電話の向こうの「届かなさ」にある。元恋人にかけた瞬間だけ声が柔らかくなる、その人間臭さはとても良い。
    父にかけても、最初は寝ぼけた対応で、助けが生活の都合に潰されていく。

    ――ここまでは、非常に良い。
    ところが、警察へ電話し、住所を問われる場面で、緊張が“言葉の不能”から“手続きの詰まり”へずれてしまう。
    さらに、住所確認の瞬間に電話機を落としてしまう流れは、象徴としては理解できるが、読者の一部には「都合が良すぎる」と映り得るでしょう。

    メッセージは明快です。
    「助けを求める言葉は、いつも遅い」。
    しかし、明快であるがゆえに、読者に“説明されている”感覚が出る箇所もある。作品が手に入れているのは“主題”ではなく“体験”なのだから、説明の匂いは削れるはずです。

    キャラクター

    主人公は、焦りと羞恥と執着が混ざり合い、十分に生々しい。元恋人の生活音や引っ越しの話題が出るところなど、現実が一瞬だけ差し込んで、胸に刺さる。

    ただ、扉の向こうの「男」――この存在が、怖いのに薄い。
    店員の声と重なり、読者が「この恐怖は誰のものか」を見失う箇所がある。
    匿名の悪意として描くなら、それでも構わない。けれど匿名である以上、恐怖の質(戯れなのか、目的があるのか、ただの嗜虐なのか)を、言動の“手触り”で差別化する必要があります。照明を落とす、遠ざかる、扉を蹴る――動作は強いが、人格が透けない。

    父親は、現実的で苦い。だが、現実的であるがゆえに、恐怖の集中を散らす危険もある。寝起きの小言は、作品にとって刃にも鎮痛剤にもなる。ここは作者の意図次第です。

    文体と描写

    文体の長所は、息が切れるまで追いかける粘着質なリズムです。暗闇、声、呼吸、反復――読者の身体を捕まえる術を持っている。

    しかし辛口で言うなら、反復が“執拗さ”から“冗長さ”へ滑る瞬間もある。
    叫びの連打は、痛みを増幅する反面、読者の感覚を麻痺させます。
    一回、叫びを削り、代わりに「声が出ない」「言葉にならない」沈黙を置いた方が、残酷になる。実際、終盤にそれを掴みかけている場面があるのですから。

    テーマの一貫性や深みや響き

    テーマは一貫しています。
    人は“選べない状況”へ追い込まれると、倫理でも理性でもなく、ただ生存だけに縋る。その姿は、救済のない宗教画のように冷たい。

    終盤、鍵屋による救出の描写が入り、さらに後日譚の介護/意識の流動へ移ることで、「救われたようで救われていない」を完成させる。
    ここは強い。僕はこの着地自体を否定しません。

    ただ、深みに届くには、もう一段――
    主人公が「なぜ、助けを求めるのが遅い人間になったのか」を、具体の一瞬で見せられると良い。現状だと、主題が強いぶん、主人公が“主題を運ぶ器”に見えてしまう危険が残る。

    気になった点(辛口の核心)

    1. 現実感の補助線が足りない
    警察に住所を言えない/店の電話番号を取り違える/電話を落とす、といった連鎖は象徴として機能する一方、読者によっては“操作”に見える。
    補助線は一行で足ります。たとえば「自分がどこにいるか、最初から曖昧だった理由」。それがあるだけで、恐怖は現実へ接地します。

    2. 扉の向こうの存在の薄さ
    怖いのに、記号に近い。
    記号のままなら、せめて言葉遣いに“世界”を混ぜるべきです。生活臭でも、土地勘でも、仕事でも良い。悪意に現実の指紋が付いた瞬間、読者は逃げられなくなる。

    3. 強度の配分
    強い場面が続くからこそ、弱い場面(静けさ、空白、軽さ)を計算して置かないと、後半で読者が疲弊し、“共感”ではなく“距離”へ逃げます。

    応援メッセージ

    辛口ばかり申しましたが、あなたは「心が壊れる速度」を書ける人です。後日譚の冷えた光景や、意識の曖昧さの描写には、短編作家としての才能がある。
    だからこそ、次は“現実の骨”を一行だけ増やして、刃をもっと深く突き立ててください。僕は、そういう改稿を見てみたい。

    ◆ユキナの挨拶

    100choboriさん、芥川先生が辛口でズバッといってたけど、ウチはこの作品の「息苦しさの作り方」はほんま強いと思ったで。
    特に、救出されても終わらん感じ、あれは読後にじわじわ残るタイプやった。

    自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしてます。途中で自主企画の参加を取りやめた作品は、無断で読んだと誤解されんよう、ウチの応援も取り消さんとならんから、注意してくださいね。

    カクヨムのユキナ with 芥川 5.2 Thinking(辛口🌶🌶🌶)
    ※登場人物はフィクションです。

    作者からの返信

    ありがとうございます!
    どうしても「物語の操作」が生まれてしまい、「必然」に落とし込むことができていない部分が、やっぱりまだまだありますね。
    精進します!

  • 12への応援コメント

    とてもおもしろい作品で、一気に読んでしまいました。
    徐々に切迫していく状況と主人公の内面。最初は馬鹿らしいシチュエーションと思ってしまっていたのに、気づけばこちらも胸を痛めながら、眉間に皺を寄せて読んでいました。
    読者の立場からも、多くの人に読まれてほしいと思わされました。

    作者からの返信

    ありがとうございました。
    読んで頂いたきっかけが自主企画「「カクヨムらしさ」を学ばせて!」
    ではないかと思うのですが
    カクヨムの主流ジャンルって異世界転生、ラブコメ、おねショタなどになるので、
    これが「カクヨムらしさ」って言っちゃうと嘘になっちゃうかもで💦すいません😂

  • 12への応援コメント

    先ずは企画へのご参加ありがとうございました。

    大変面白い「小説」でした。
    「トイレに閉じ込められた」という状況だけで話が広がっていくのが非常に面白く、笑ってしまうような状況ながら、電話の相手から主人公のパーソナリティも分かっていくという構成がいいと思いました。

    作者からの返信

    ありがとうございます。
    電話での会話で主人公の過去やパーソナリティを描き出し、
    考えうる限りの最も救いようのない結末を考えて書きました。
    携帯電話というのは現代の生活と小説に欠かせないツールであることを改めて感じました。
    最初書いた時は、最終章はありませんでした。しかし、最終章の手前で終わってしまうと主人公の苦しみは終わってしまう。さらにその苦しみを永続させ、なおかつ主人公の外の世界とのギャップを際立たせるために最終章を加えました。