明煌の思いというなのツッコミ

私の名前は将慧という。しがない文官だ。しかし、私は他のものと違い文官のでということで、侮られてきた。褒美を横取りされることも多くあった。そんなことがずっと、続き、なんの感情も動かなくなった頃、私の人生を大きくかえる出来事がおきた。それは、我が生涯の君主である明煌様との出会いだ。

明煌様は俺の話を聞いてくれて、しかも、採用してくれた。以前皇帝は、差別がひどいとの噂を耳にしたことがあった。そのため、言ったとしても、なかったことにされるか、自分の発言として言われるかの二択だと思っていた。しかし、そんなのを思ったところで、発言しなければ変わるものも変わらないという思い一心で、私は発言の手を緩めることは決してしなかった。そうしてしまったら、本当に私の心が壊れてしますと、心の何処かで感じていたからだろうと、今では思う。

しかし、明煌様が私の名前を聞いてきたとき、私は少し強く慣れた気がした。

「将慧か。覚えておこう。」

そんな、少しの言葉で強く慣れた。しかし、私が明煌様のお部屋に呼び出されたときは、本当に息がとまるかと思った。なぜなら、皇帝の部屋とは、それすなわち近侍や限られたもののみが入室を許可される場所だからだ。なにか不敬をしたのではないかと、不安でいっぱいになり押しつぶされそうだった。しかし、私の予想にはんして、呼び出された理由は民の飢饉についての話題だった。そこで私は、明煌様に様々な質問をされ、答えた。一言一句言葉に責任がのしかかり潰れるという錯覚に陥った。

しかし、私の回答は明煌様に良いと言ってもらえた。その時、私は身のうちから喜びがあふれるほど嬉しかった。しかも、私が不敬な言葉を使ったとしても、明煌様は寛大なお心で許容してくださった。極め付きは、私の生い立ちを話しても真摯に受け止め、聞いてくれた。それでもなお、私の発言を尊重してくれた。その時私は、明煌様を生涯の君主とし、一生お使えしたいという考えがムクムクと膨れ上がった。そのため、直属にしてほしいなどという、今思えば不敬でしかない発言を口走ってしまった。しかし、またもや明煌様は私のことを受け入れてくださった。本当に理想の君主とはこのような人のことを指すのだと思う。

そして、直属部下になるには、まず、朝議で明煌様に勅命されなければならない。あの者たちを納得させることができるのかは、正直に言って不安しかないが、明煌様にはなにか策がるようだった。そのため、明日は安心だろう、私は必ずこの人にお使えすることができると確信することができた。しかし、この安心感を得られて気を向いていた頃に明煌様から驚くべきお言葉があった。明煌様のことを当時の私は、皇帝様とよんでいた。しかし、明煌様はなにかの気まぐれか、名前で読んでみよとおっしゃってきた。私はその時心臓が凍りつくようだった。なぜなら、明煌様は使えるべき君主であると同時に、私のような平民がしかも、一端の文官でしかないものが、明煌様のお名前を呼ぶのは分不相応だと思ったからだ。しかし、私が歯切れをよくさせず、ためらっているところを見て、

「我の名前が分からないのではないな?」

とおっしゃってきた。まさか、ありえないと思った。そのため、明煌様に対して恐れ多くも反論してしまった。しかし、後悔はしていない。明煌様の名は本当に、知らない人がいるという方が難しいからだ。そのため、明煌様の名誉と私の尊厳を守るためにも呼ばせていただいた。そうすると、明煌様は次に”これからはそう呼べ”とおっしゃってきた。恒常的に呼ぶなど恐れ多くて、心臓が止まるのではないかとお思う。というか、今でも思っている。しかしながら、明煌様は、やはり一枚上手で

「これから、華族の者共にお前のことを納得させなくてはならないのだぞ。少しは、信頼があるように見せたほうが賢明だとは思わんか。」

とおっしゃった。私は、言葉も出ないほど納得させられてしまった。確かに、信を置いているということを見せつけるためには、皇帝様よりも明煌様と名前で読んだほうが効果が期待できる。そのため、明煌様のことを名前で呼ぶことになってしまった。しかしなってしまったものは、仕方がないと自分の中で、割り切ることとし納得させた。

そしてとうとう、勅命の日がやってきた。

心臓が喉から飛び出るほど緊張したが、顔にも声にも出さなかった。

持ち場につくと、明煌様がお出ましになった。やはり威厳のある人だと思う。この世界の美という美をかき集めて、神様が丹精込めて作ったような、神秘的な空気を醸し出しておられる。きれいな濡れ羽色の黒髪に、青龍様のような蒼瞳。更には高身長でわたしの、身長よりも10〜20cmも高いときた。これは、他の者達が黙っていないくらい美しい。ほんとうに、このお方にお使えできるのかと、喜びが湧き上がってくる。なんか、騒がしいな。なるほど、明煌様のお言葉でみなさんが”直属部下になるのはこの私だ!”と粋がっているのだな。不敬かもしれないが、少し笑いが込み上げてきた。しかし、明煌様の名誉のためにも笑わないようにしなくては。

「勅命しよう。俺の直属部下となるのは、、、。文官、将慧である。」

明煌様に選ばれた、、、!前もって聞いてはいたが、やはり直接皆の前で言われると、あぁ、本当にこのお方の直属部下になるのだという実感が湧いてくる。

しかし、やはりと言うべきか、とてもつよう反論が私達を襲った。私は平民の生まれであり、出身はかえることができない。しかし、それでも選んでくれた明煌様の腕となり足となれるように、こんなところでつまずいているわけにはいかない。

そうしていると、明煌様がなにか考えにふけっていたと思ったら、いきなり、

「そこにいる文官と将慧で能力対決をしてみよ。さすれば、どちらが本当に有能か、わかるであろう?」

私は、この考えに乗ることにした。なぜなら、明煌様がおっしゃったのならば正しいのであり、私にはこれくらいでくるだろうと見込んでくださったと考えたからだ。

明煌様、貴方様に必ず勝利という名の私の、忠誠心を見せてご覧になりましょう。

しかし、囲碁勝負か、、、。明煌様もなかなかきれるお方だ。私が頭脳戦で負けることがないとわかってのことだろうか。明煌様には、何もかが見通されているような感覚に陥ることが多い。しかし、それは嫌ではない。なぜなら、私には明煌様のお考えはわかることは到底できないが、明煌様は青龍様に最も近しいお人であるからだ。

その方に勝利を献上しようと、私は改めて心に決めた。

「では、試合を開始する!」

試合が始まった。しかしながら、私の心には不安という名の文字の一切がなかった。なぜなら、ココには明煌様がいらっしゃり、負けるなどということは、到底想像できなかったからだ。

このもの、意外とやるな。なばかりの文官長ではなかったのだな。しかし、私にはお見通しだ、こいつ不正してやがるな。外部からどこにすれば良いてなのかという情報を目線で示してる。しかし、そんなことで私が、くじけるとでも?こちらは、いつも褒美をとられて、精神が頑丈に、なってるんでね。こんないやがらせ、日常茶飯事ですよ。さて、どうしましょうか。とりあえず、今、相手は攻めの姿勢が強い。ということは、攻めているところの、いや~なところに、高速で打てばタジタジになるはず。

パシッ、、、パシッパシッ、、、、、パシッパシッ

やっぱり、乱れてきた。やはり、なにごとも、ペースを乱されることが一番の崩す方法ですかね。、、、おっ、守りに入ってきましたね。ということは、次は攻めですね。うん、守りはやりやすい。相手がどこにおいてほしくないのか、どこがいいのかが、攻めよりもはっきりわかる。

「良いのですか?文官長、上にしたがってばかりでは、いずれ潰されてしまいますよ?」

ビクッ、、、

「お前に、何がわかるのだ。私は、上に従わなければ、いずれ消されよう。それでも、逆らえと言うのか。」

「はい、申し上げましょう。私も、少し前までは従って、命令されるままに動いておりました。しかしながら、あるお方に出会い、変わったのです。そして、私はあのお方に生涯使えることを決めました。今では、信を置かれようと必死に努力している最中です。」

「、、、なぜ。なぜ、そこまで信用できる。今や東の国は腐敗して、神にも見捨てられている。」

「それは、、、。見つけたからとしか、いいようがありませんね。」

「見つけただと。」

「はい。私は、あの方に出会うまでまるで人形のように順従なモノの一つだったでしょう。しかし、あの方を見つけてからというもの、わたしは決意の心にみなぎることができています。そのため、恩を超えて信頼しているのですよ。」

「そうか。見つける、か、、、」

「あなたにも、そのような相手が見つかることを願っておりますよ。」

「、、、あぁ。感謝する。」

パシッ!

「勝者、文官将慧!」

「両者、礼!」

「「ありがとうございました」」

「ふぅ、、、。終わりましたか。」

良かった、という安堵感が胸を包んだ。本当に良かった。明煌様にはしたない姿を見せなく。もしも負けた姿を見せていたら、何をしたかが自分でもわからない。

(明煌様、私やりましたよ。あなたに勝利を捧げることができまし。)

さてと、明煌様のもとに向かわなくては。

「明煌様、勅命をしてください。この隙ですよ。」

「あぁ、では行おう。これで、わかったであろう。どちらがより、有能なのかが。よって直属部下は将慧となる。また、我の直属部下の名は、近侍と改める。」

これで、あとは正式な文書にして、朝議の場でお言葉を述べてやっと、明煌様の近侍となれる。嬉しい。いや、まだ終わってはいない。正式に近侍となるには、まだ時間がある。気を引き締めなくては、、、

「将慧、よくぞやってくれた。これからも期待しているぞ。」

「はい!はい!感無量でございます。こちらこそ、期待にお答えできるように身を粉にしてお使えいたします。」

明煌様から、私にこのようなお言葉をもらえるとは幸福感でどうにかなってしまいそうだ。嬉しい、嬉しい、幸せだとは、このような言葉を言うのだということをほんとうの意味で初めて知ることができた。勝ってよかった。裏切ることにならなくてよかった。安心感が私を包んだ。

「では、お二人ともこちらへ御出なさってください。」

いつの間にか朝議の間に来ていたようだ。そんなに思考の海にふけっていたとは。しかし、これは嬉しいから良いのだろう。

明煌様と、ともに玉座の場へと向かう。そして、足を踏み入れた。

「それでは、これから第21代皇帝様である明煌様が勅命を行う!」

やっとだ。やっと、近侍となれる。

「第21代皇帝明煌が行う。将慧、前へ。」

「はっ!」

「名を将慧、貴様を我の直属部下に任命する。これからは俺の近侍となり、この国の繁栄のために動くのだ。」

「拝命いたしました。」

多幸感が私を包んだ。これで名実ともに明煌様の近侍となれた。

魂が震えるのがわかる。少しの時間でいい、この気分に酔いしれていたい。

「明煌様、この度は近侍の勅命誠にめでたく存じます。このような機会に参加できたこと、とても嬉しく思います。また、将慧。対決は私の完敗だった。そのため、お前を明煌様の近侍であるということを認めよう。おめでとう。私の分までお使えするのだぞ。」

文官長か。このお方も苦労をなさっていたのだな。少しは見直さなければならない。

「いえ、私は、私のもちいる全力を尽くしたのみです。その結果として、近侍となれたにすぎません。しかし、認めてくださることには感謝いたします。私も明煌様に全力でお使えいたします。あと、あなたとの試合はなかなかに楽しかったので、また手合わせしてくれると嬉しいです。」

「あぁ、もちろんだ。私もより多くの力つけ、貴殿に再戦を申し込むとしよう。それまでのお楽しみにしておいてくれ。」

「はい、待っておりますね。」

(いつか、あなたが君主、または、守り守られたいという存在が現れたときは、またやれることを願っておりますよ。)

そんなことは、置いといて。明煌様に私の決意を述べなくては。

「明煌様、私はあなたにお使えできることを喜ばしく思います。名実ともに近侍となれた今、どんどん私のアイデアをお伝えしますね。」

「あぁ、楽しみにしている。しかし、過労では倒れるなよ。そうなったら、目も当てられん。 」

「約束はできませんが、善処いたします。」

明煌様は面白いことを、おっしゃる。私が配分を間違えるとでも。まぁ、明煌様に、”寝るな”と言われたら、何時間でも徹夜をする覚悟はできているが、、、

しかし、ご心配をかけないためにも、ほどほどにしておこう。

これから、明煌様の近侍として頑張ろう。そして、もっと信を置いてもらえるように努力しよう。そう、私は心に決めたのであった。


、、、こいつの思考をのぞけたからのぞいてみたら、なんか鳴甲が大変素晴らしい人になっていないか。

本当に良いのか、将慧よ。こいつ、我が読んだのも何だが、結構適当人間ぞ。

まぁ、此奴が良いなら良いか。

純粋すぎて心配になるぞ。いや最初だけは、純粋と言えるな。だが、時を経るに連れ腹黒、ヤンデレっぽくなっていないか?

頑張れよ鳴甲よ。此奴の手綱をしっかり握れよ。

我は悠々自適に見ていよう。

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メイコウの建国日記 花碧怜 @202212

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