第2話 洗濯物を干しながら

ようやく少なくなった湿った布をプラスチックのハサミで摘まんでいく。

洗剤の人工的な香りがツンと匂う。


日々の繰り返しだけど。

少し、切なくなる。


「いけないっ・・・」

時計を見て慌てて支度を始める。


これも毎朝のルーチン。

一通り終わった家事の後でゆっくりする間もなく。


私はパートに出かける。

夫の仕事の辛さに比べれば何でもないけれど。


それでも。

楽ではない。


幼い子供は。

夫が保育園に連れて行って。

私が午後に迎えにいく。


考えてみれば。

ゆったりとした時間を過ごしたことはない。


そう。

好きな小説を読みながら。

ウトウトと、二度寝を楽しみたいなんて。


今の私には。

贅沢なことなのでしょうか?

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