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カフェを始めたのは完全な思いつきだった。サラリーマンをしていた時の貯金をほとんど費やし、どうにかして手に入れた自分の城。規模は小さいし、場所も人通りが少なく、環境がいいとはお世辞にも言えない。それでも、当時の僕は気にならなかった。
店を続けるにつれて、少しずつ常連客が増えていく。彼女、
僕はよく客に「いつかもっと大きな店をする」と口にしていた。ほとんどの客は、僕をからかうか、応援するかのどちらかだ。
でも、美琴は違った。彼女は平静の穏やかな笑みで、「絶対叶えてくださいね」と口にしたのだ。それは、僕が夢を叶えるのを前提とした言葉だった。
この頃から彼女に惹かれ始めた。いけないと分かっていながら、彼女を常連客の1人ではなく、1人の女性として見るようになったのである。
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