感度95って、なんかのバグでしょコレ!

ユズカに、いきなりアプリ起動されて、

「はい、ちょっとこれつけて〜」って、

わけも分からず後頭部のとこピッて触られて、

なんかヒヤッとしたと思ったら──


「はーい、感度チェック入りまーす♡」ってニヤニヤしてんの。

なにそれ怖い。ていうか何それエロい。


「え、なにすんの?」

「なにも。測るだけだよ~。NSっていうのはさぁ、脳内デバイスにリンクして、こうやって感度が数値化できるのよ。はい、脳波出力〜。ちょっとだけ…えいっ♡」


えいっ♡って言いながら、

いきなり太ももつねってくんの、ほんと意味わかんない。


「いった!!ちょ、なにすんのバカ!!」

「ふふっ、反応いいね〜〜。……おおお?」


アプリの画面、チラ見したユズカが急に黙る。

なに。なにその顔。やめて。

ニヤニヤしないで。なんでちょっと引いてんの?


「……ねぇマツリ。アンタ、感度95って出てんだけど?」

「え、なんの? 95って、偏差値? IQ? 体温?」


「いや、SEN。つまり感度スコア。えーと……おめでとうございます? 上位0.02%。天然物の超高感度体質でございます♡」


「やだやだやだ! そんなのイヤ!!」

「なんでよ〜。売れるよ〜。ポスおじが群がるよ〜。一晩で10万、いけるんじゃね?」


もう言ってることが怖い。

なんなの、ポスおじって!? 群がらないで!!


「わたしそんなんじゃないからね!? 普通だからね!?」

「うんうん、はいはい。普通の子が感度95でございますっと」

「やめて!!」


アプリの画面には、でっかく「95」って数字が光ってて、

しかも“感度★5:NS登録済み”とか赤文字で出てる。

やめて!! 登録すな!!


その日から、ユズカがあたしのことを

「金の卵」って呼ぶようになったの、ほんとムカつく。

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