山田監督が、「（下條正巳は）じっとしていらっしゃるだけで、そこにすでに存在感があるっていうのかな。演じなくてもいいっていうのかな。居ればいいという。それは究極の映画俳優の形ですよね」

おいちゃん（車竜造）役は３回交代した。

初代おいちゃん　森川信　第1〜8作

二代目おいちゃん　松村達雄第9〜13作

三代目おいちゃん　下條正巳第14〜49作

森川信は、肝硬変で他界

松村達雄は、腸の手術

急遽下條正巳がおいちゃん役を務めた。

2代目おいちゃん役の松村達雄は、おいちゃんになる前に、医者役で出演している。

第6作「純情篇」マドンナ若尾文子

病気を看にきた、頼りのない医師役

寅さん「よく診てくれたんでしょうね」

松村医者「見た、見た、じっくり見た！しかし、美人だネエ！！」

寅さん「何ィ！、いっていドコ見てたんだよ！？」

松村医者「どこったって…オッパイ…」

寅さん「あ―！」

シーンからも、おいちゃんに、求められる人間の魅力を感じられます。

ユーモア、包容力、寅さんとの掛け合い

寅さん、ありがとう。

誰がおいちゃんでも、親代わりのおいちゃんに甘えてくれましたね。寅さんとおいちゃんは実の親子を越えています。遠くにいてもお互い気にかけ心配する。１秒でも忘れた事が無い。何も言わなくても通じ合う。これこそ、日本人が求める親子像ですね。

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