私への、
@22235
私への、
赦せないのです。憎くて憎くてたまらないのです。忘れるわけにはいかないのです。ずっと怨んでいるのです。今日で一区切りはついても、きっと、これからも赦せることなどないでしょう。…赦してはいけない、赦すわけにはいかないのですから。
私と彼は、幼稚園で出会ったときからずっと一緒のいわゆる幼馴染という関係でした。彼が私のことをどう思っているかなどわかりませんし、これからも知りようがありませんが。
彼は、天真爛漫という言葉がお似合いの無邪気にキラキラを放っている可愛らしい男の子でした。ひとりぼっちで積み木遊びをしている私の元にやってきて、「いっしょにあそぼ!」と声をかけてくれました。成長していく中でも彼は変わることなく、ずっとキラキラピカピカと眩しいままでした。
そんな彼に私は、私なんかに時間を割かせて申し訳ない、と思いながら、確かに優越感を感じていました。他の誰かではなく、まごうことなくこの私が選ばれたのだ、と。もちろん彼はそんな醜い思考など知りもしないでしょうから、知られないように振る舞っておりました。
私は、彼のことが好きでした。恋愛の意味で、好きでした。彼はその辺りに対して非常に鈍く、伝わってはいなかったでしょうが。私はそれを残念に思いながら、安堵もしておりました。まだこのままの関係を続けられる、との思いでいっぱいでした。
それでも少しもの悲しく、私は彼にプレゼントを渡したりなどのアピールを続けておりました。
そんなさなかのことでした。彼が、階段から転げ落ちました。結構大きな階段で、大怪我はするであろう場所から落ちました。直ぐに病院に運ばれましたが、打ち所が悪くそのまま息を引き取ってしまいました。
私はそれを見ていました。それは私のせいでした。彼が好きだと話していた特撮キャラクラーの手作りグッズ。夜なべして作ったそれを早く渡したくて、階段の上にいた彼に大声で呼びかけ、見せびらかしました。急いだ彼は下に降りようとして、そのまま足を滑らせ転げ落ちました。
誰もがあなたは悪くないといいます。私のことを慰めてくれます。私はそうは思えません。だって私のせいでしょう。私が彼を殺したでしょう。。彼のことを殺したのだから、それ相応の報いを受けるべきでしょう。彼を殺した者は、この先ずっとこれ以上ないぐらい苦しみ続け、一生日の当たらない場所にいなければならないでしょう。だって、それぐらいのことをしたのだから当然でしょう?
それでも、私は今何の変哲もない日常を生きています。許せません。私が憎い、とっても憎い。今にも死にそうな顔をしていたのでしょう。誰かが私にこう言いました。「自殺すると地獄行きだからあの子ともう会えなくなるよ」「辛いのはわかるけど早まらないで」
天啓を得た気分でした。
誰だって、憎い相手には地獄に落ちてほしいとおもうものではないでしょうか。地獄とはどれほど苦しいのでしょう。私は、この上なく苦しんだ上でゴキブリにでも転生して苦しみ続けるべきです。
そう、だから、これは私への復讐です。この上なく憎い相手への、報復です。どうか、次に目が覚めるときは地獄に落ちていますように。
私への、 @22235
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