第1話 どこか暗い君
「ねぇ、なんで君はここにいるの?」
そう僕、黒瀬叶多は彼女に問いかけていた。
夜に公園で女子高生がたそがれているなら
そう声かけるのが普通だろう。
しかし、これと同時に、僕はしまったとも思った。
なぜなら、家庭の事情で追い出されたりしたのであれば、
彼女の傷をえぐるかもしれないから。
「それは……分からない。気づいたらここへいたの」
彼女の返答は予想から大きく外れたものだった。
気づいたらここにいた…?何を言っているんだ。
僕はそう思ってしまった。至極真っ当では
あるが、間違いだとも思った。心の中で気持ちが
迷子になっている。整理しなければ。
しかし、そんな思いも虚しく彼女が続けて告げる。
「突然だけど、貴方の家に行かせてもらえないかしら?無理なら無理でいいから。」
「……………は?」
僕はポカンとしていた。というか普通そうだろう。
突然、家に行かせろだなんて頭がおかしいん
じゃないかと思う。しかも異性の家に。
「どうしても…………ダメ?」
彼女が上目遣いでそう言う。普通に考えれば
美少女に上目遣いされてるとか全世界の男子が羨む光景だろう。
だけど、今は普通じゃない。
僕は呆気に取られていた。しばらく経っただろう。
沈黙の中、僕は口を開けた。
「君の事情はよく分からないけど、困っているなら助けるさ。」
「ほんと!?ありがとう!!」
そう言って彼女が抱きついてくる。
異性に堂々とこういうことができる度胸がすごいと
感心しながらも困惑しながら。彼女を抱きとめた。
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