第Ⅰ章 第25話

しかし、流れは急に変わった。


「引き上げるぞ」

そう言ったのはアベンチュリンさんの相手をしていた筈のファントムアメシストだった。


「逃げる積りか?」

そう良いながらファントムアメシストと対峙していたアベンチュリンさんはそう言った。


「逃げるか・・・。


私達の目的は櫻樹翠桜の宝石執事が目覚める前に彼女を殺害する予定でいたが・・・目覚められてしまった以上は厄介だからな」

ファントムアメシストはそう告げた。


さっきまでの戦いが嘘の様に私達の目の前で彼等は姿を晦ました。


先程の戦いから急に静寂に戻った。



「大丈夫でしたか!?翠桜様」

そう言い、私の元に来たのは桜華だった。


「大丈夫って言えないけれど・・・大丈夫よ」

私はそう答えた。


すると「アクア、助かったよ」

そう言い、私とアクア様の元に来たのは先程の騎士の姿では無く、燕尾服姿のエメラルド様だった。


「別にお礼を言われるまでも無い・・・。私はただ、翠桜様の側に居ただけだ」

そう言い、騎士の姿から燕尾服姿に戻ったアクア様はそう話した。


「こっちも終わった・・・」

そう言い、私達の元に来たのはもう一人の燕尾服姿の男性だった。


「お疲れ様でした、師匠」

エメラルド様はもう一人の男性をそう呼んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

虐げられし宝石の聖女と宝石執事 roiyaru @roiyaru93

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ