第Ⅰ章 全ての始まりと運命の出逢い

第Ⅰ章 第1話

私は夢を見た。

それはここ最近になって夢に見る事が多くなった夢。


別に私はどんな夢を見ようが、それがどんな内容の夢かなど正直に言ってあまり興味が無かった。


何故なら、自分が今、置かれて居るこの状況が余りにも地獄であるし、この家の事に興味なんてある筈がないのだから。


だから、どんな夢を見ようが今の私にはさほど、興味が無い。


だが、最近の夢は、昔からこの家に来た当初の夢とかけ離れているし、それこそ夢であるだろうと思えてしまう程の夢だ。


昔の夢は、この家に引き取られる前の幸せな家族の夢、それと、この家に引き取られてから起きた出来事がまるで悪夢の様に夢に見た。


だが、最近の夢はそのどちらにも当て嵌まらない不思議な夢だ。


夢には何時も三人の人物が現れる。

それぞれ、髪色と瞳の色が異なる。


一人は、髪は女性の様に長く美しい髪で髪の色も瞳の色も宝石を彷彿させる様な綺麗なエメラルドグリーンの男性、もう一人もエメラルドグリーンの瞳の男性と同じ様な髪の長さで、髪の色も瞳の色もアクアブルーの女性。最後の一人は二人の人物よりも髪も短く、髪の色も瞳の色もモスグリーンの瞳をしていた。


三人に共通するものがあるならば、それは三人が着ているのは執事が着る燕尾服である事だ。

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