数多の伝説にうたわれるような、骨肉わけた兄弟の愛と憎しみ。アベルの血が土から叫ぶかのように、弑して産めた兄の亡骸は、白い顔たちを咲かせる樹へと生まれ変わり。その声は、葉擦れと花の香りとともに決して絶えることはなく。いつしかその声のなかに、自身を溶かしたいと、彼は思うようになったのかも知れない。
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