聖女様の不満、或いはちょっとした愚痴

@159roman

聖女様の不満、或いはちょっとした愚痴

 どうも、異世界転生した聖女です。

 

 16歳です。

 前世の年齢は秘密です。


 10歳の時に前世を思い出したら、聖女に必要な力が溢れだして聖女に認定されました。パチパチパチ(拍手)


 この世界では、聖女は特別な力を持った選ばれた人しかなれない特殊な職業で大事にされているよ。

 

 職場はホワイトで、福利厚生もしっかりしている。お給料もなかなか良くて、みんなの憧れのエリートってやつ?


 将来安泰の優良な職場です。

 ヤッタネ!


 聖女になれたのはラッキーだった。

 ラッキーだったのだけどね、聖女になるための力がねぇ(タメ息)


 『聖力』


 聖なる力と書いて『せいりょく』



 大事なんだよ、『聖力』

 結界を張ったり、病気や怪我を癒したり、全部『聖力』が必要。


 前世でいうところの花も恥じらう16歳の私は、日本人だったことも相まって『せいりょく』が別の漢字に聞こえてしまうのですよ。


 『精力』とか『性力』にorz


 例文

 「聖女様は『せいりょく』が強いですね」が、

 「聖女様は『精力』が強いですね」もしくは「聖女様は『性力』が強いですね」

に漢字変換されてしまう。


 他にも漢字はあるのに、なぜかよりにもよってですよ「Oh!」


 しまいには「聖女様」が、りっしんべんの「性女様」に変換されてしまったりorz orz

 

 静まれ私の妄想力!

 と、まあちょっとした愚痴ですね。


 最近では婚約者が言う「せいりょく」を「」に聞き間違えたりね orz

 

 「君といると『聖力』が湧いてきそうだよ」と仰ったのが

 「君といると『性欲』が湧いてきそうだよ」とかね。


 卑猥じゃないですかやだー!


 そうそう、聖女はエリートなので結婚相手としても人気なのですよ。


 平民が高位貴族や王族との婚姻なんてのも夢じゃない! そんなところも聖女が憧れられる所以でもあったりして。

 で、私にも分不相応な婚約者様がいるのですよ、金髪碧眼の見目麗しいお貴族様の婚約者様が。


 その金髪碧眼の見目麗しいお貴族様の婚約者様の口から「性欲」なんて飛び出すわけがないのに、どうにも私の耳はおかしい。

 おかしいのは耳じゃなくて脳なのか? 脳がおかしいのか?「Oh no!」

 もう一度、静まれ私の妄想力!




 そんなことをわちゃわちゃ考えながら草生え散らかして日々お勤めしていたらあっという間に成人して見目麗しい婚約者様と結婚。

 ゴールインですよ。パチパチパチ(拍手)


 成人して精悍さも加わりますます見目麗しさに磨きがかかった婚約者様(もう夫ですね)が、本当に「」と仰っていてぶっ飛んだのでありました。

 性格がヤバイお人なのかと慄いていたら、婚約者わたしを前にしてテンパっていらっしゃったとか。


 お年頃で妄想力が過敏だったのは私だけじゃなかったのねワロス

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