第8話 買い物デート②

「莉央くんは何頼む〜?」


「俺はチョコソースにします」


「じゃあ私はいちごのやつにしようかな!」


近くのベンチに座りクレープを食べた、なんだかんだ始めて食べたな、というより今までそういったものとは無縁な生活だったから多分食べたことがない物なんて数えきれないくらいあるんだろう。


「ここのクレープすごい美味しいね!」


「そうですね、俺は始めて食べたからビックリしました」


「え?そうなの?もったいないよ」


「まぁ、色々あったので...」


「ご、ごめん余計なこと言っちゃったね」


「大丈夫ですよ、それよりこのチョコソースすごくおいしいんで食べてみます?」


「え?いいの?」


「志保さんが食べてる時の笑顔素敵ですから」


「そ、そそうかなっ?」


「舌噛まないようにしてくださいっ」


俺は慌ててクレープを志保さんに手渡した、無意識に告白みたいな事言っちゃった、いやまあ付き合ってはいるけど改めて考えるとめちゃくちゃ恥ずかしい...


「うんっ!このチョコソースもすごいおいしいっ!ありがとうね♡じゃあこれ莉央くんも私のクレープ食べて♡」


「いいんですか?」


「お返しだからっ」


「け、けど...」


「けど?」


「間接きs...」


「え?あーけ、けど私莉央くんのクレープ食べちゃったしもうしちゃってるし?1回も2回も変わんない的なっ?」


すごい早口だ、多分志保さんも今気づいたのか、せっかくだし1口もらおう、決してやましい事なんてないなんなら付き合ってるなら当たり前...だよね?


「じゃあ1口貰います...」


「あーん♡」


「うっ」


「おいしい?」


「はい...」


「顔真っ赤で可愛い♡」


「....」


「もう一口莉央くんのやつちょーだい?今度は莉央くんも私にあーんして?♡」


「1回だけですからね...」


「あーん」


「えへへ♡さらに美味しさ倍増♡」


「そ、それは良かったです...」


何この人いちいち可愛すぎるんですけど、こっちまで恥ずかしくてドキドキする、その後志保さんは我に返ったように顔真っ赤にしてお互い無言でクレープを食べた、まわりの人の視線も多分あったけど恥ずかしすぎるから一旦忘れよう。


「そ、そろそろ食材買いに行きますか?」


「うん...そうだね」


微妙な空気になったがすぐに切り替えて二人でスーパーに向かった。


「志保さんのお友達はどういう料理が好きなんですかね?」


「うーん、強いて言うなら肉と野菜じゃないかな?」


「な、なるほど」


「あの子、陸上サークル入ってるからね」


「あー、じゃあ栄養バランス重視の方がいいですかね」


「うーん、あの子大学にいる時はいつも食事に気をつかってるしこういう日ぐらいは気にしなくてもいいんじゃないかな?」


「そうですね、今日の夜ご飯の分も買わないといけないので荷物少し多くなっちゃいそうですね」


「私も持てるからね!頼ってね?」


「お言葉に甘えます」



結果的に途中で志保さんが限界を迎えたので洋服を志保さんに持ってもらいなんとか車にたどり着けた。

重すぎて潰れるかと思った、筋肉もうちょっと付けた方がいいかな、志保さんのお友達を見習わなきゃね。

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