第6話 2日目④一日の終わり

「じゃあ、お風呂お先にいただくね?莉央くんだったらいつでもいいからね?」


「一緒には入りませんよ」


志保さんはまた不満げな顔しながらお風呂に向かった。

志保さんがお風呂を終えたあと自分もお風呂に入った、正直湯船に浸かる時少し躊躇したが何も無いと自分に言い聞かせ浸かった、1分ももたなかったのは内緒です。


「早かったね、ちゃんと湯船浸かった?」


「え?あ、はい?つ、浸かりましたヨ?」


「怪しい...明日はちゃんと浸かるんだよ?」


「はい...」


返事した後に志保さんは「はいこれ」とドライヤーとブラシを渡してきた。


「志保さんから使っていいですよ?」


「そーいう事じゃない!いっぱい甘やかしてくれるんでしょ?髪乾かして〜♡」


「ま、まぁそれくらいなら...」


女性の髪なんて乾かしたことなんてないから超緊張した、ドライヤーを近づけ過ぎないように気を使いながら髪を乾かすと物凄くいい匂いがした。

正気が保てるか不安だったけど上手く髪を乾かせた。


「ブラッシングも!」


「はい」


あって2日でこんなことする人は果たして世界にいるのだろうか、もしかして世界初か?嬉しい事かはわからないけど今までの自分の人生ではこんな体験したこと無かったから正直楽しい、青春ってこういう事なのかな?

ブラッシングを終えると志保さんは満足げに「ありがとうね〜♡好き好き♡」といいながら今度は私の番と言って髪を乾かしてくれた、まさか付き合って始めて女性と髪を乾かし会う日が来るなんてな。


「いつか、莉央くんが話せる覚悟出来た時は私に言ってね?私は莉央くんの彼女だから莉央くんのつらい事私も一緒に背負わせて欲しいな」


「ありがとうございます、ほんとに何から何まで...感謝してもしきれません」


「いいの!私が好きでやってる事だから!出来ればもっとイチャイチャしたいな!」


「どさくさに紛れて欲望出さないでください」


「ちぇ〜」


「けど少しくらいなら...」


「え?今なんて?」


「なんでもないですっ!」


「こらっ♡逃げるな〜♡」


この年になって部屋を走り回るとは思わなかった、最終的には俺が折れて30分くらいハグさせられた、恥ずかしすぎて死ぬかと思った、顔真っ赤なになってるのを志保さんに見られた時「かわいい〜♡」と言われほんとに別の意味でま死にたくなった。


「ねぇ、一緒にベットで寝よ〜?♡」


「きょ、今日はいっぱいハグしたからダメですっ!」


「むぅ〜私は諦めないからね!」


今一緒に寝たら本当に情緒が失われてしまう気がしてさすがに断った、けどこんなに良くしてもらってるし答えられるものには答えていきたい、少しずつだけど明日も頑張ろう


「じゃあ莉央くんお休み♡」


「はい、志保さんおやすみなさい」



どうかこの毎日が続きますように



けどこの願いが叶わない事は自分自身が一番よくわかっていた、いつか向き合うことになる現実から目を背けるように眠りにつく

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