第2話

「さぁ入って!入って!」


「お邪魔します...」


「荷物は部屋の適当な所に置いていいからね」


「はい...」


はぁ、どうしてこうなったんだろう、さっきまで自殺しようとしてたのに気づいたら彼氏彼女の関係になってて家にまで来てしまった。人によっては嬉しい状況かもしれないが状況が状況なのでただただ困っている。黙り込んでいるのを見かねてか彼女から


「あ、そういえば名前聞いてなかったね、私は志保でいいからね」


「高橋莉央です、好きなように呼んでください」


「じゃあ莉央くんて呼ぶね♡」


「後莉央くんは親御さんに連絡とかしなくて大丈夫?」


「俺が居なくなっても警察にも届け出なんて出すような人じゃ無いので大丈夫です、後携帯も捨てたので連絡する手段もありませんし。」


昨日、何も考えず死ぬならいいかとスマホを適当なとこに捨てたんだった。今思えばもったいない事をしたと思うがスマホを捨てた場所さえ覚えていないから考えても仕方ないか。


「そっか〜、けど何かと不便じゃない?今度私と買いにいこっか♡お金は私が出すからさ♡」


「い、いやそこまでしてもらわなくても、後まだ付き合っ」


「はぁー♡私の彼氏なんていい子なの♡けどね大丈夫♡お姉さんお金結構あるから♡1台も2台も変わらないよ♡」


やっぱり話通じないなこの人、なんか慣れてきてる自分にも恐怖を覚えるわ、さらにこの人可愛いから押されると拒めない自分が情けないなと考えつつ、今後のことも考えないとな。


「じゃあそこのソファに座っておいてね♡今から支度すると時間かかっちゃうから作り置きしてた肉じゃがでもいいかな?♡」


「はい、ありがとうございます」


「莉央くん敬語じゃなくていいよ︎♡私たち付き合ってるんだし♡」


「まだ慣れないんでしばらく敬語でお願いします...」


「まぁいっか︎♡」


「自殺止めるために付き合ってくれてるんなら無理しなくてもいいですよ?」


もし、自殺を止めるためにここまでしてくれてるんだとしたら尚更申し訳ないしな、後々もっと遠いところにいこう。


「え?全然無理してないよ♡自殺を止めようと思ったのは普通に人として当たり前のことしたまでだよ♡それに莉央くん好きな気持ちは本当だよ?♡」


「初対面なのに?」


「ほら♡一目惚れってやつ♡顔とか声がすごいタイプなんだよね♡なんか無償に甘やかしたくなる顔♡」


「は、はぁ」


「はい♡肉じゃができたよ♡」


「ありがとうございます」


「「いただきます」」


「おいしい?♡あーんしよっか?♡」


「おいしいです、それとあーんは大丈夫です」


彼女は「えー♡んー今日は許してあげる♡」といいご飯を食べ始めた、いや次はされるの決定なのか、とりあえずご飯食べよう。


ご飯を食べ終わった後志保さんが「お皿はあらうからいいよ〜♡」と言ってくれたがさすがにここまでしてもらって何もしない訳にもいかないから手伝いますと半ば強引にお皿洗いを手伝った。志保さんは「はぁ、私の彼氏いい子すぎるよっ♡」と言っていたがそれとなく流して皿洗いを終わらせた。

その後お風呂に入る事になったんだけど志保さんが「やだやだ!莉央くんと一緒に入りるのっ」とまたしても駄々をこねてきたが何とか1人で入れた、服は新品の服をかしてもらえたんだけど


「わー可愛い♡♡似合ってるよ♡♡」


「あの、無地のやつとかないんですか?」


「こ、これしかないよ?♡まぁまた今度買いに行こ?♡ね?♡」


これ絶対あるやつだ、まぁジェラピケなんて来たことないしたまにはいいかもしれない。寝床は客人用のお布団を貸してくれるらしい、夜も遅いので詳しい話は明日することになった。


「おやすみ♡莉央くん♡」


「おやすみなさい」


今日夜だけで色んなことがあったな、自殺はできず代わりに彼女(仮)が出来て今彼女(仮)の家に泊まっている明日からどうなるんだろうか。

まぁ今日はもう寝よう。


うとうとしてほぼ寝かている時何か暖かい物が布団の中に入ってきたような気がする、ちょっと暑い気もするけど、気づいたら眠りに落ちていた。

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