どろどろ

それはまるで僕のようで

殻を破る前に死んだ雛は

どろどろに腐って

甘くて苦い刺激臭がする

それが僕にはとても…特別にみえて

どんな生き物かも分からずに、

親も見ずに、

一人寂しく、いや、寂しいという感情すら抱くこともなく死んでいったあの生き物

生き物という言葉もふさわしくないほど形はなかったけど

みんなが汚い目で見る中、僕は興味を持ってしまった

グロい物なんてそんなに好きじゃない

それは生きようとした証

この世に産まれてこれなかったもの達

生きながら死んでいる僕と何が違うのだろう?

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