【リライト】『夢のフィールド』「第21話 雨上がりのデート」
【原作品タイトル】『夢のフィールド』
【原作者】三杉 令 様
【原文直リンク】
⇒https://kakuyomu.jp/works/16818622176276612913/episodes/16818622176277037168
【リライト者コメント】
現代物を書く機会がそんなにないので(しかもデート!)ちょっと挑戦!!
作者様の原文を読みつつ、自分風に書いてみました。
原作を全部読んでいないので解釈違いがあったらすみません💦
とても楽しかったです!!有難うございました!
==▼以下、リライト文。============
「ほら、これかぶりな」
柊は予備の綺麗なヘルメットを明日香に投げてよこす。
「え?」
明日香は目を丸くしてヘルメットと柊の顔を見比べた。
「たまにはサッカー以外のこともしよう。隣町のショッピングモールとかどう? 夏休みももう終わりなんだし」
「え? 連れて行ってくれるんですか!?」
「君のお母さんも『よろしく』ってさ」
そう言って笑った柊に、明日香の顔が輝いた。
隣町まではバイクで30分ほどだ。小雨が降っていたけれど、流れる景色と風に弾かれて消えていく雨粒に不快感よりワクワクが勝つ。
「バイクって気持ちいいんですね!」
バイクを降りて高揚した気持ちのままそう言うと柊に笑われた。
柊は濡れたウィンドブレーカーを脱いで水を切る。流れ落ちる水滴を見ながら明日香は自分を見下ろすと、足元以外は濡れていないことに気づいた。その時、初めて柊の大きな体が雨よけになってくれていたことを知る。
雨は、いつの間にか上がっていたようで、顔を出した陽の光に照らされて柊と周りをキラキラと輝かせた。
「あっ! 虹!」
指さした先を柊も見る。「本当だ。綺麗だね」と柊がまた笑った。
ショッピングモールでは普段あまりやらないことをしよう、ということになり、映画を観ることにした。明日香が選んだのは以外にも恋愛映画で、柊は「本当にこれ?」と尋ねたが明日香は「これがいい!」と譲らなかった。最近の小学生はませているなぁと柊は思ったが、それを観ることにした。
スクリーンに映し出されたのは、エメラルドグリーンの青い海に青い空。
南国の砂浜を女性が歩いていく。ふと隣を見ると、恋人を待つ女性と背景の海の風景を、明日香は食い入るように見つめていた。
いつもはボールばかり追いかけている明日香だけれど。なんだ、ちゃんと女の子なんだと薄く微笑む。柊は今日彼女を連れてきて良かったなとスクリーンに視線を戻した。
「柊さん! 私、やっぱり外国に行きたい! 英語とかたくさん覚えるね!」
映画を見終わった後、明日香が興奮気味で言った。
「確かに、あのリゾートは本当に行きたくなるくらい綺麗だったね。アフリカの近くだっけ」
「うん! 将来私、絶対にあそこに行くから! あんな夢の様な場所があるんだね!」
「あそこにサッカーやりたい子どもはいるかな? 観光客しかいないような気もするけど……」
「絶対いるよ! ああいうビーチには可愛い子どもが似合わない!?」
「だといいいね」
柊はそう言って笑うと、明日香の頭を撫でた。
二人はその後、ちょっとしたショッピングをしたりクレープを食べたり……最初で最後のデートを楽しんだ。
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