第4話 楽しみ
目的の場所は孤児院に隣接している図書館だ。重い扉を体重をかけて開き中へ入る。ここも孤児院と同様協会が運営していて誰でも入れるようになっているのだ。流石に夜中は誰もいないけれど。
「今日はなんの本を読もうかな」
読書は唯一の楽しみだった。
私の知らないことをたくさん教えてくれるし知らない世界に連れて行ってくれる。そのために字も必死になって覚えた。アマンダは興味がなさそうだったけど。その中でもお気に入りの本が
「あった!」
綺麗な装飾で飾られた本。魔法の本だ。
「なんの魔法が書いてあるんだろう。」
床に本を開いて見てみる。他に誰もいないので声を出してもいいのだ。見よう見まねで試してみる。すると一面の花畑が出てきた。
「きれい!」
花畑になった図書館は誰にも邪魔されない自分だけの世界。ずっとこうしていたいと思いながらも魔法を解き部屋に戻る。この世界がユリアの大切な小さな小さな世界。誰にも見られてはならないユリアの宝物だ───。
過ぎ去ってゆく君へ @_statice_
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