この作品は、光の乙女の降臨をきっかけに、王子や貴族たち、そして過去を知る令嬢たちの思惑が少しずつ重なっていく群像ファンタジーだと思います。
序盤で印象的だったのは、白い光とともに光の乙女が現れ、王太子アリスティドたちが伝説の再来に心を奪われる場面です。その一方で、側仕えのエルだけが少し引いた位置から彼らを見ていることで、華やかな伝説の始まりだけではない、別の視点があることも感じられました。
また、リュンヌが過去の記憶をもとに、魔虎の被害を食い止めようと動く展開も印象的です。単なる異世界転移や学園ものではなく、やり直し、貴族社会、魔物との戦いといった複数の要素が重なり、物語に広がりを与えています。
レビューは序盤15話までの内容に限りますが、光の乙女をめぐる表の物語、未来を変えようとする令嬢の物語、そしてエルの静かな視点など、さまざまな流れを追っていける作品だと感じました。
一人の少女が異世界に転生してきて、「光の乙女」として崇められるところから物語はスタートします。
勇士候補の男子生徒達と出会い冒険しドタバタな日常を過ごし、時に危険な魔物と対峙していきます。
ここまでは王道展開なのですが、ここに更にもう1人、未来からタイムリープしてきた公爵令嬢も加わり、物語により深みがでてきます。
その公爵令嬢が背負っている運命が、とても重くて辛くて、それでもめげない彼女の姿には、思わず応援したくなります。
光の乙女が表側のヒロインだとすると、公爵令嬢が裏のヒロインでしょうか。
本線のシナリオは屋台骨がしっかりしてると言いますか、想像以上に世界観ががっしりしています。
魔法や魔物などの設定もしっかり描かれるので、細かいことが気になる読者様もご満足頂けるかと思います。
とはいえ物語そのものは重苦しいばかりでは無く、日常や恋愛パートも豊富に描かれ、良い息抜き気分になります。
光の乙女や公爵令嬢、5人の勇士たる男子達もメイン人物はみんないいキャラをしていてバックボーンがしっかり描かれています。
1人お気に入りを挙げるとすると、公爵令嬢でしょうか。
経緯が経緯だけに自暴自棄気味なところもあったりで不安になるのですが、それでも前を向こうとする彼女は作中でとても輝いています。
ヒロイン度が半端ないです。
各々の要素がしっかりしている分、読み進める度に物語の味わいが深みが出てきます。
多分、第四章か第五章くらいまで読んで頂ければ、後は食い入るように読めるのでは無いかなあと思います。
百年ごとに現れる光の乙女が、新月の夜にドール王国の学園前の丘へ落ちてきたことからこの物語は幕を開けます。王太子はいよいよ自分の冒険と5勇士伝説が始まるとテンションMAXになります。乙女は実は地球から来た日本人女子高生で、言葉は通じるけれども文化ギャップだらけ。王宮でも「パケモンのピカハム刺繍」にときめく素朴さと天真爛漫さで周囲を振り回していきます。一方、公爵令嬢は、前の人生で王太子の婚約者でしたが、嫉妬から失敗したところを「3年前の自分」に戻ってきた生きなおし。彼女は前世の記憶でどんどん対処して力を得ていきます。王都では王太子が「自分こそ5勇士」とテンションマックス。さあさあ、この物語はたしてどのように進んでいくのか目が離せません。みなさまもぜひ。
異世界転生モノと言うのは、どうやら“すっごいいい事が次から次に起こって頑張ると楽しい人生になる”んだろうと思っていたのですが、そうじゃない。
異世界では無く違世界の物語である、と・みすみ・様が仰るように、現実の世界の地続きのような人間の日々があるような、そんな世界です。
学園生活があり、そこに人間関係と序列があり、モンスターが出て来たり、討伐をしたり、生死があったり・・・。
素晴らしく優秀な勇者と認められている登場人物達にもそれぞれの苦しみや悩みがあって。
ぽつぽつと輝く星のように存在するメンターたる大人達が彼らを間違いなく光へと導いて行く。
異世界の若者の成長譚、とひと口には言えない、精神的な繋がりが美しく編み上げていく様子はとても心に残るものがあります。
・・・彼らは誰と、何と戦っているのかな。闘わせられているのか。
いつも彼らの苦しさと美しさを感じるとともに心に残る静かな疑問。
なんでこんなに美しく苦しいのか・・・多分、・みすみ・様がそう仰るように、これはアオハルの物語だと。青春と戦っているのでしょう。
そうか、だから、こんなに苦しく、美しいのか。
どうぞご一読くださいませ。
異世界から現れた、魔物討伐の力を持つ「光の乙女」きららと、闇に飲み込まれてしまった後に過去に転生して人生をやり直す侯爵令嬢リュンヌ、そして二人と同じ王立学園に通う少年たちを中心に繰り広げられる物語。
魔物や魔法が存在する異世界での物語なのに、作中で描かれる登場人物の心情はとてもリアルで、現実世界での青春にも通じるところがあります。
登場人物の一人一人が掘り下げられるにつれて、彼らに共感したり、応援したくなったり心配してしまったりしながら読み進めています。
個人的にはシャルルとリュンヌが好きですが、周りの大人たちも魅力的できっと皆さまも推しが見つかるはず。じっくり読み進めたい作品です。
ドール王国建国に深く関わるという「光の乙女」、100年ぶりにその乙女として転生して来た日本の女子高生、白光きららは、早速手厚い待遇を受ける。
どうやら彼女には、「5勇士」とともに魔物を倒すという使命があるようだが、この勇士に我が子が選ばれるよう、貴族たちは慌ただしく動き出し……。
一方、「光の乙女」降臨時の様子を兄から注意深く聞く一人の少女がいた。
リュンヌ・ソワレ、公爵家の令嬢にして、アリスティド皇太子の許婚候補No.1。
彼女は、見た目は14歳なのだが、心は3年後の未来から来たらしい。
最悪の未来を変えるために……。
本作は、ド直球な学園ファンタジーでありながらも、登場人物たちの心の機微や成長ををいかんなく描き尽くしております。
時には哀しくて切ない気持ちになったり、心の底から勇気を出そうと鼓舞されたり……胸躍る人間関係のドラマとしても、本作の読みごたえはとんでもないレベルです!
また、魔物たちとの命をかけた戦闘の、臨場感と緊迫感ある描写はお見事としか言いようがありません!
(巨大な蛇との闘いは手に汗握る展開、そして人々のドラマの嵐でした!)
今後の流れも目が離せない傑作!
是非ともご一読を!!!
二人の主人公。「光の乙女」と呼ばれるのは、異世界転移してきた、きららさん、日本人のJKです。
もう一人は、異世界の住人。公爵家令嬢、リュンヌさん。こちらはなんと、死にかけたところから三年前に戻って来た、負け戻り令嬢です。
二人の少女が、ドール王国を彼女たちを取り巻く仲間と救う、異世界学園ファンタジーです。
注目したいのは、キャラクターは彼女たちだけじゃありません。
光の乙女きららさんを取り巻く、王太子、貴族の少年たち。彼らは王国を狙う魔物をきららさんと共に守る騎士でもあります。
まだ学生である彼らの奮闘ぶりや頭脳を使った戦闘など、迫力あるシーンが満載です。
また、リュンヌさんも素晴らしく、貴族の令嬢でありながら人知れず努力を積み重ねて成長していく。
サブタイトルに注目すると、何やら謎めいて、タイトル「攻略対象‘E’」とは何だろうとラストまで目が離せません。
一人ひとりが個性的で楽しめる小説となっています。
ぜひ、・みすみ・様の異世界ファンタジーの世界を楽しんでいただけたらとオススメいたします。
華やかなドール王国を舞台に、王太子アリスティドとその仲間たち、そして空から現れた“光の乙女”きらら――古典ファンタジーと学園青春、両方の楽しさがたっぷり詰まった物語です。
まず、登場人物たちのやり取りが生き生きしていて、ユーモアと優雅さ、貴族社会らしい気品がしっかり感じられるのが魅力的です。アリスティドやバンジャマン、ドリアン、シャルルといった個性的な少年たちの会話は軽妙で、読んでいて自然と笑みがこぼれます。側仕えのエルの苦労人ぶりにも愛着が湧きますね。
一方、きららの素朴さと無邪気さが、物語の中で清々しい光を放っています。異世界転移ものの定番でありながら、王国の伝説や貴族社会のルールが丁寧に描かれているので、読者も一緒に物語の世界に没入できる構成力が光ります。
世界観やキャラの魅力、テンポの良い会話劇、そして時おり見せるコミカルな掛け合い――どこをとっても、とても丁寧に作られている印象です。ファンタジー好きはもちろん、キャラ同士の距離感や友情ドラマを楽しみたい方にもおすすめできる作品です。
まだ物語は途中ですが、これからの冒険や「ひみつの遊戯」の謎がどう展開していくのか、ワクワクが止まりません。続きを楽しみにしています!