第18話warupurugisuTeaParty
──〇〇県○○市○○町夜行教会跡地──
有名な観光名所であったとしても辺りはしんと静まりかえっていて人っ子一人見られない.....ハズだった。
跡地の中央には大理石を綺麗に切り出した外国の美術品かのような美しく神秘的な雰囲気を感じる円卓が最初から存在していたかのようにそこにあった。ここは教会跡地の名前通りあくまで跡地であり所々教会の一部であったであろう崩れた外壁や割れた花瓶などが置いてあった。だが円卓は新品のようにピカピカでなによりこんな円卓なんてものはここには存在していない。そのような不可思議な円卓に座する者が一人紅茶を嗜みながら人を待っていた。
「一番のりだったと思ったんだけどな〜もう人居るじゃ〜ん【咏詠】ちゃんだったかぁ...ざーんねん」
「惜しかったですね私もつい先程来たばかりなので次はもう少し早く来ればよろしいと思いますよ【幽廃】さん」
紅茶を飲んでいた【咏詠】は紅茶を下ろし息をつくと柔らかな口調でやってきた【幽廃】に話しかけた。【幽廃】は少し落ち込んでいた様子だったが【咏詠】に話しかけられて「次からそうしてみる!」と明るく返した。
「でもまだ全然集まってないんだね〜意外!」
「たわけ、もう集まっているぞ...まぁ一部で輩はまだらしいがな」
崩れた壁の影から赤い髪をした人物が現れ、よく見ると他のところにも人影が座っていたりしていた。
「あれ?【炎帝】さんじゃん...もしかして私遅かった?」
「いや、そういう訳でもないぞ。お前は予定の15分前には来ていた.....でも次からは30分前にはこような?」
「あ、はい.....」
その顔の冷ややかな圧から【幽廃】は弱々しく返事をした。
「す、すいません!遅れました!ほら萌、だから早く行こうって言ったじゃん!」
「大丈夫、大丈夫。まだ時間ピッタリじゃん優衣はせっかち過ぎるんだよ。」
「ほらな、お前より遅い奴がいたろ?あともう一人見えない奴もいるが.....そろそろか.....」
【炎帝】は頭を痛々しげに抱えつつ木の上に立つ人影へと目を向けた口が僅かに動き「ほぉらやっぱり.....」と言っているようだった。
「おう、おう、おう!諸君揃っているではないかぁ!じゃあ始めようか【お茶会】を!」
〜〜〜
「.....?なぜお前が仕切ろうとしているんだ【血伐】?お前が一番遅かったんだからな?」
【炎帝】が少々の苛立ちを滲ませながら呟き周りの他の魔法少女たちもうん、うん頷いている。
「はぁ!?私が夜に弱いのは皆承知の上だろう!別に私が仕切っても良いではないか!皆そうでろう!?」
【血伐】は少し涙目になりながらも皆に問いかけたが全員目をすっと逸らしどんどん【血伐】の瞳は潤んでいく。
「そういえばなぜ今回の【お茶会】が開かれたのかお聞きしてもよろしいですか【炎帝】さん?開催の声明はあなたからという話でしたが.....」
【咏詠】が【炎帝】に問いかけるとその場の注意は取り敢えず【炎帝】へと向かった。そして【炎帝】は重々しく口を開きだした.....
「あぁ君らに集まってもらったのはだ.....【半魔】が出た.....これがまず一つ.....」
この一つ目の時点で周りの空気が変わった。あるものは険しい顔をしあるものはなにそれ?という顔をしている。
「あの...【半魔】というのはどのような魔物なのでしょうか...私たちまだこの【ワルプルギスナンバーズ】に入ったばっかりなので分からないのですが...」
【星陣】の魔法少女の片方が質問し皆答えずらそうだったがようやく【咏詠】が口を開いた。
「【半魔】はですね人と魔物のハーフですね.....一つ勘違いしないで欲しいのはハーフというのは血とか遺伝子などではなくそのまま人に魔物の身体の一部が縫い付けられることで生まれるる魔物ということですね。戦闘力自体は対したことはないのですが問題は.....」
「【半魔】を作り出した奴がいるということだな。一般的に【半魔】が自然発生することは無い.....つまりだ他の何者かが人為的に【半魔】を生成した見て間違いないだろうな。」
【血伐】が、【咏詠】の言葉に割って入って誇らしげに胸を張っていたが【咏詠】は涼しい顔をしてスルーした。
「以前現れたときは知能持ちの魔物が一般人を襲って作っていましたがあのときの魔物はそこの【血伐】さんが倒してしまったので恐らく別個体かなにかだと思いますが、この魔物は一般人しか襲わない上、慎重で隠れるのが上手く探すのが困難という問題もあり被害が拡大していく前にどうにか見つけて駆除しておきたい魔物ですね」
【咏詠】の言葉に当時の状況を全く知らなかった【星陣】と【幽廃】、【過災】はへぇ...という顔をして聞いていた。炎帝は少し咳払いをして話を元に戻す。
「まぁという訳だ。次に行ってもかまわないな?二つ目は例の『奴』が動き出した.....皆、構えろ!」
その時だったその場にいた魔法少女全員に悪寒が走った【炎帝】の鋭い指示でどうにか全員意識を持ち直したがいつの間にか円卓の中央に一人の少女が立っていた。
髪型は綺麗に整っていたが髪自体の手入れは行き届いていないであろうぼさぼさの銀髪に瞳に狂気を宿した赤い目、そして心臓を鷲掴みにされてるようなおぞましく気持ち悪い魔力の流れ.....皆その少女から目を離すことが出来なかった。
「あらぁ私抜きで楽しそうなことしてるじゃん.....私も混ぜて欲しいなぁ♡」
「すまないが生憎君はこのお茶会には招待してないんだあ帰り願いたい【第一階梯・焔光】!」
「【九番、石牢の死刑囚】♡」
【炎帝】の放った鋭い炎が【殺戮】へと迫り焼き尽くすかに思えたが突如現れた不気味な男の形をした石像がその炎を受け止めた。
「きゃあ怖〜い♡でもそんなに慌てなくてもいいんだよ?私はちょっとお話しに来ただけだから♡.....えーっと私たち【おもちゃ箱】はあなたたちに宣戦布告しま〜す♡」
手に書いてあるであろうカンペをガン見しながら読んだ内容はとてつもなく危険な可能性示唆していた。
【ワルプルギスナンバーズ】.....魔法少女の中でも強さという序列に並び替えた上位十三名のトップ層.....そして今相対している【殺戮】も三位という上位も上位であり一位と二位は誰も知らなく実質的な強さでの序列はこいつが最強になっている。ナンバーズに宣戦布告するということは魔法少女全員を敵に回すのと同義であり【おもちゃ箱】なる集団もそこまで大きいものではないであろうが【殺戮】が一人いるだけで話が変わってくるためこれは両陣営での戦争を意味する。
「じゃあ私は言わなきゃいけないことは全部言ったから帰るね♡また会おうね【炎帝】ちゃん♡」
他の魔法少女が【殺戮】を引き止める間もなく【殺戮】は一瞬で姿を消し辺りには暗い雰囲気が流れ始めていた。
「皆さんお茶会を再開しましょうか」
ニコリとした笑顔で【咏詠】がまた再度円卓へ茶と菓子を並べほんの少しだけ和んだ空気の中【お茶会】は再開された。
〜〜〜
その頃何も知らない夜宵は一人素振りをしたり筋トレしたりしていた。
「ふぁくちゅ!.....あ゛ー少し寒ぃな.....風邪か?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
読んでいただきありがとうございます!
これからも頑張りまふ!
あと最近Xくんのアカウント作ってみたんでフォローしてくれるとうれぴーなぁ...(多分絵描いたり小説に収まらなかった設定とか載っけると思ひます.....質問も頂ければお答えします!)
XのURL⤵︎ ︎
https://x.com/Q1Vjr
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