作者さんも言われている通り、読む人を選ぶ作品だと思います。
ですが文学的な筆致と心理描写(ヘルマン・ヘッセが好きと知って納得)でぐいぐいと物語に引き込まれます。
常にここは自分のいる場所ではないという違和感、孤立感、孤独感、絶望。
最悪な出来事の後、マイノリティである主人公はそれでも生きていくという選択を選びます。
自分自身でも独白しているように、心に空いた穴を埋める何かを見つけるために。
作者さんのコメントを読むと作風とのギャップに安心(?)するのですが、願わくばこの作品に出てくる登場人物たちにそれぞれの願う安寧が訪れることを切望します。
それにしてもキノコはいいですよねー
2歌までの感想です!
しっとりと静かに、けれど確実に心に何かを突き立ててくる…そんな余韻を残す作品でした。
ストーリー展開はゆっくりですが、その分、心理描写と伏線が非常に丁寧に編み込まれていて、登場人物の言動にも一切の違和感なく没入することができました。
序盤はその描写力の高さに舌を巻き、読み進めるうちに物語の中に散りばめられた「謎」の数々に、どんどん引き込まれていきます。
主要人物それぞれが、表には見えない「影」を抱えていて、その裏側がこれから少しずつ明かされ、パズルのピースがはまっていくような、そんな展開を期待せずにはいられません。
個人的には、第1歌の終盤で起こるある事件をきっかけに、物語がぐっとサスペンス色を強め、一気に面白さが加速しました。
これから読む方には、ぜひそこまで読んでから判断していただきたいです。
おそらく作者様は、物語を最後まで緻密に設計されていると感じました。安心してラストまで読み届けられる、そんな信頼感があります。😌
第3歌以降も楽しみに追いかけていきます。この感想も追記する…かもしれません。😌
素敵な物語をありがとうございます。どうぞ執筆、頑張ってください♬
二つの視点から描かれる構成が面白いです。アンナの暗い内面世界とルーカスの日常的な視点が対比され、徐々に真実に近づいていく感覚を味わえます。特に「銀の鳥の庭の中」という童話の引用から始まる導入部は、物語全体の雰囲気をとてもよく引き出していると感じました。
特にアンナの心理描写は内省的でありながら詩的な美しさがありとても丁寧に描かれています。これを見るだけでも価値ありです!
現実と幻想の境界線を曖昧にする感じにとても引き込まれます。アンナとカーヤの関係性の謎、そしてルーカスの視点から見る別の角度での物語展開は、とても続きが気になる内容となっております。
これからも引き続き楽しみにしたいと思います!
まだ完結していないので迷いましたが、現時点での感想を残しておきたいと思います。
まず、本作は概要にある通り読む人を選ぶ作品かもしれません。落ち込みやすい方には私はお勧めしないかもしれませんが、決して無意味な死や絶望をばらまくような物語ではなく、むしろとても丁寧に作られたお話だと感じます。
とくに印象に残っているのが、『人間は豊かな想像力を持っている故、頭の中でなら好き放題できる。この権利を有する点に関しては、人間に生まれて良かったと心底思うくらいだ。』という一文。
個人的に、この言葉が今のところ本作全体の印象ともっとも重なるように感じています。
登場人物たちは、それぞれ異なる個性と背景を持つ「誰か」として描かれているのに、読んでいるとふと、すべてが一人の頭の中にいる「人格」たちにも見えてくる──まるで自己対話を覗いているような、不思議な感覚になる瞬間がありました。
内容に重なるところはありませんが、上記の印象と不思議なお話の雰囲気・展開の仕方から、私はジブリ映画の『君たちはどう生きるか』を思い出しました。
「みんなとは違う」と言いながら「みんなと同じ」と表現することもあるアンナがどんな結末を迎えるのか。
いろいろな意味で、続きを見届けたくなる作品です。