それでも生きていかなければならないのか
- ★★★ Excellent!!!
作者さんも言われている通り、読む人を選ぶ作品だと思います。
ですが文学的な筆致と心理描写(ヘルマン・ヘッセが好きと知って納得)でぐいぐいと物語に引き込まれます。
常にここは自分のいる場所ではないという違和感、孤立感、孤独感、絶望。
最悪な出来事の後、マイノリティである主人公はそれでも生きていくという選択を選びます。
自分自身でも独白しているように、心に空いた穴を埋める何かを見つけるために。
作者さんのコメントを読むと作風とのギャップに安心(?)するのですが、願わくばこの作品に出てくる登場人物たちにそれぞれの願う安寧が訪れることを切望します。
それにしてもキノコはいいですよねー