第4話 思春
「はぁはぁ」どうやら滝つぼに落とされたようだ。「ふざけんなよ、せめて言えよDS持ってんだよ」一人が怒る。「でも、まだ夏の暑い日でよかった」そう僕が言うと「ポジティブすぎだろ変態」と誰かが言いシュっと暗闇に光が灯る。どうやらマッチを持っていたようだ。「水に濡れても大丈夫なマッチだ。高かったんだが、買ってよかった」そう言い周りを見回した。どうやらここで焚火をするそうだ。「少し乾かしてから登ろう」いつの間にか談笑が始まった。マッチを持っていた男は僕よりも一つ上の鎌倉玲生であり、今日のためにこの町に来たそうだ。他にもこの中で一番の怖がりである鈴木蒼真や髪が長く、女性のような美しさを持つ加島優斗、身長がとても高い月輪大河。眼鏡イケメンの戸田光輝、坊主イケメンの音野裕二。「はぁ。ふざけんな、DSが、どうすんだこれ」と未だに起こっている少年は松田流星である。
談笑しているとどうやら服が乾いたようだった。「そろそろ行くか」と鎌倉が言う。それに続いて松明を作り、焚火を消した。火が無いと本当に見えない。確かに月明かりは出ているが、木が生い茂り、あまり光を見せてくれないようだ。僕らは斜面を上へ上へと登って行った。途中で鈴木が泣いてしまったりと、とトラブルがあったが割愛させてもらう。
気づくと石畳の道を見つけた。その道に沿って僕らは進んでいく。すると社が見えた。案外綺麗な見た目をしていて、一人また一人とその中に入っていった。中には座布団が十一枚、円を作るようにして置いてあった。僕は倉上と山門の間に座った。社の中は雰囲気があり、とてもじゃないが話していないと怖かった。恋の話が始まり、僕らはまた楽しくなった。
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