第4話 無理やり男を磨かせる
私は樹を待たせておいてスマホで開閉のできるコインロッカーから銀行の封筒とお泊り用のミニトートバッグを取り出し、代わりに今持っているカード類を放り込んだ。
因みに私は……自分を守るためにこの様なロッカーをいくつかの駅前に用意している。
さて、まずはコイツにマトモな財布を買おう。
すぐ使うからと店でタグを外してもらった財布に封筒の中身の札束を全部詰めて樹のところへ戻る。
そして、「樹! これを丸ごとあげるから今日の支払いはキミがするんだ」と財布を渡す。
「中身の詰まった長財布はヒップのポケットには入れるなよ。物騒だから」
私は、財布の中身に驚いている樹の腕に手を回した。
「では、ショッピングしよう!」
デパートの1階のブランド化粧品売り場
「こちらにはSPORTタイプもあります」と店員が
うん、初めて試したけど、これもいい。
「樹はどっちがいい?」
カレは少し悩んでSPORTを選んだ。
さっそくシルバー色の箱を開け、くすぐったそうにしているカレの髪とうなじにオードゥ トワレットをプッシュしてやる。
身なりも整えたし、仕上げとしてはこの香りは上々だ。
「キミはお酒は大丈夫か?」
「コンパで“飲んで飲んで”しても大丈夫です」
「あぁ、聞くんじゃなかった!そんなバカげた飲み方はしないよ。私のお気に入りの広東料理店がある。 そこへ行こう。老酒も美味しいし」
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