遺伝的弱者

夕日ゆうや

うまく書けなかった(T-T)

 デモ隊が行進をしている。

 そんな彼らを高層ビルの上から見下す熟年の男が一人。名を霧島きりしまという。

「無駄なことを。遺伝的弱者はなにを考えているのか、分からんね」

「お説ごもっとも」

 霧島の隣にいた櫻井さくらいが呟く。


 遺伝的弱者。

 それはゲノム解析などにより、遺伝子が持つ疾患になりえる可能性の高い――劣勢遺伝子である。

 霧島はそう報告書にまとめると、議会に働きかける。

「さ。劣勢遺伝子を排除しよう」

 議決多数で法案が通った。

 遺伝的弱者をこの国から追い出す。

 これで医療費が大幅減だ。


 しかし霧島は知らなかった。

 病気になる遺伝的弱者もまた、働くことで社会の役割を担っていることを。

 それはかかる医療費よりも生産性が高いと知るのはまた別のお話。

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遺伝的弱者 夕日ゆうや @PT03wing

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