降魔の翼　〜荒鷲は舞う・空を人類の領域とせんが為に〜

人が永きに渡る魔種族たちへの挑戦をし続けて早くも1930年が経過した。いや、明確に「人類史」として記録が残る期間が1930年経ったと言うべきだろうか。

人魔戦暦1800年前後、大地や海は、ようやく人の領域が拡大しつつあったが空は未だ、完全と言って良いほど彼ら魔種族の手中にあった。

だが、人は決して諦めなかった。
人が火をその手にしたように、人が鉄器を造るようになったように、半ば夢物語とさえ言われた空への旅立ちを、人は一歩々々進めて行った＿＿＿＿＿


これは、気球で人類が空へと戦略の舞台を展開してから実に136年の月日が流れ、単葉の翼でもって、空が人類にとって自由の舞台となり始めた頃の話しである。

そのような時代の、歴史の立役者である彼ら「荒鷲」に、竹中 平三という男が居た。
この人間…続きを読む