第29話 メッセージのやりとり(俺 ⇔ 北野)

 北野大丈夫かな?

 午後の授業中、俺はメッセージを送った。北野はちゃんと返してくれる。やりとりが続いた。


(青山)『風邪、大丈夫?』

(北野)『だいぶ熱が引いたみたい。楽』

(青山)『それは良かった。お見舞いに行こうと思ってたんだよ』

(北野)『ありがとう。何だか頼もしくなったわね』

(北野)『もう大丈夫そう』

(青山)『?』

(青山)『体調のこと?』

(北野)『ごめんなさい、大事なことは学校で話そうと思ったの。だから言えないのだけど』

(青山)『だけど?』

(北野)『知りたい?』

(北野)『怒らない?』

(青山)『内容によるよ』

(青山)『隠し事は嫌いだけど』

(北野)『分かった。言うわ』

(北野)『特別更生プログラムはそろそろ終了になりそうなの』

(青山)『それってみんなに信用されたということになるの?』

(北野)『そうよ。本来なら1ヶ月ちょっと残っているけど、大地君はいくつかの条件をクリアしているの』

(青山)『信用度のポイントが達成された。それと風紀委員の評価が上がった。そして学校側が俺の更生を認めた』

(北野)『そうよ。よく分かってるわね。怖いくらいに(笑)』

(北野)『須藤先輩に聞いたの?』

(青山)『違う。考えたらそうかなと思ったんだよ』

(北野)『その洞察力、うちに欲しいわね』

(青山)『俺は帰宅部だからそれは嫌だな』

(北野)『まあ、話はこんなだけど。私が復帰次第で終了日を伝えるわ』

(青山)『了解』

(青山)『お見舞いの時に色々と話がしたい』

(青山)『桜井さんも心配してる』

(北野)『ありがとう。さっき春から連絡があって大地君と来てくれるらしいの』

(北野)『春から連絡あった?』

(青山)『知らなかったよ』

(青山)『嫌われてるのかな?』

(北野)『そんなことないわよ。きっと忘れているだけ』

(北野)『今の大地君は春にとって支えでもあると思う。仲良くしてあげて』

(青山)『了解』

(青山)『じゃあ、放課後そっちに行くよ』

(北野)『お土産もね』

(青山)『ははは(笑)』


 こうして、メッセージのやりとりは終わった。

 授業の終わりに、桜井から連絡があった。そこには『勝手にごめん』とあった。

 いいよ。分かってる。北野に会いたい。その気持ちは一緒だからだ。


 ホームルームの終わりになると、待ち合わせの連絡があった。

 桜井と一緒というのは、少し緊張する気がした。

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