彼はモテたい。

@tu_Baki_Rin

第1話 彼は私の。

 彼は今日も嬉しそうに、私に話す。

 女からメッセージがきたと。 

 彼はそのたび言う。

 「俺はかわいいとは思わないけどね。」

 でも、笑みが溢れているよ?私は分かる。

 それはそうだよ。

 私は毎日、貴方を想っているもの。

 貴方はどう?と自分の中で問いかけてみる。

 当たり前のように返ってはこない。

 「好き」と言って。私が一番と言って。

 そう思うようになったのは、いつからだろう。

 彼にメッセージを送った女が「やりて」と

 言うやつだと、気づいたときだろうか。

 彼は、その女が自分を好きだと分かった

 途端に、私に言った。

 「俺は好きじゃないから、安心して!」

 何を言っているのか、私は分からなかった。

 安心できるわけない。

 逆に、安心できる奴がいるのだろうか。

 いるのなら連れてくるミッションを

 彼に、頼みたいくらいだ。

 多分、私が彼と同じことをしたら、彼は

 怒るだろうな。

 私とは大違いだ。私にはその勇気がないから。

 今日も彼は私以外の女とメッセージを交わす。

 私よりかわいい子。彼の女候補だ。

 でも、今「彼は私の。」

 

 

 

 

 

 

 

 

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