第4話 (エピローグ)


かえで「ふぅ…」

(あの資料室事件から1ヶ月)

(無事さくらの救助もあって事なきを得た、何も言われなかったが多分バレてた、気を遣ってくれたのだろう。)

(まこちゃんはあの件を気に王子様キャラをやめた、私に危害が及んだことに相当責任を感じているらしい。)

(取り巻きから謝罪がないのは普通に殺したくなったが、今後特に危害がないならもういいかという気持ちが強い、というか関わりたくない。)

「…まっ、それ以上に嬉しかったから、ある意味良いおもいで…にはならないか、うん。」

(面白いもので、1ヶ月もするとまこちゃんの話題も落ち着き、今は学祭で他校の男子生徒を誘う誘わないの話で持ちきりだ。)

(特に私を閉じ込めた取り巻きの連中も今は韓国アイドルに夢中らしい、多分好きと言うより、推しがほしいタイプなのだろう。)


まこと「はぁはぁ!」


かえで「あっ…」


まこと「ごめん藤崎さん!体育が長引いちゃって!」


かえで「ふふっ、別にせかしてないって、トイレは大丈夫?」


まこと「なっ…馬鹿にしないでよ、子供じゃないんだから。」


かえで「いやだって…」


まこと「あの日から、人が少なかったら普通のトイレも使えるようになったんだから…」


かえで「えっ!」

<優しい笑顔で>「…そっか、よかったね。」


まこと「んっ…喜んでいいのか複雑だな…」


かえで「ふふっ、ごめんごめん、はいお弁当。」


まこと「ありがとう!たくさん動いたからお腹ぺこぺこだよ!」


かえで「はいはい、逃げたりしないから、ゆっくり食べて。」


まこと「わかってる、また子供扱いして…」


かえで「ふふっ。」


まこと「けどいいの?最近は僕ばっかりとご飯を食べてるけど…」


かえで「いいっていいって、私さくらくらいしか友達いないし、そのさくらも学祭直前で忙しくて、一緒に食べられないの。」


まこと「そっか…じゃあ学祭が終わったら三人で食べようね!」


かえで「ふふっ、そうだね。」


まこと「…っ、そうだ、藤崎さんは学祭は誰かと回るの?」


かえで「え、あ〜、特に決めてないかな〜、さくらも忙しそうだし…」


まこと「じゃ、じゃあさ藤崎さん、その、予定がないなら、ぼ、ぼくと…」


かえで「ん〜。」


まこと「な、なに…?」


かえで「その、藤崎さんっていうの、そろそろやめない?」


まこと「えっ…」


かえで「ほら、もう知り合って結構経つわけだし〜」


まこと「んっ、でも、今更恥ずかしいって言うか…」


かえで「…もし下の名前で呼んでくれたら学祭、一緒に回ってあげよっか。」


まこと「…っ!」

「じゃ、じゃあ…んぅ…」


かえで「…ふふっ。」


まこと<プロポーズみたいに>「…かえで、僕と一緒に、学祭を回ってほしい。」


かえで<ちょっと動揺>「…いっ。」

「っ、んんっ…」


まこと「か、かえで?どうしたの?やっぱり僕と回るのは嫌?」


かえで「別に…ていうか、私も誘うつもりだったし…ちょっといじわるしただけ。」


まこと<苗字で呼びかけた>「…ふじさ…っ、かえで!」


かえで「…んんっ。」

「ていうか、まこちゃんこそいいの?やめたっていっても、まだあんたのファンとかいるんでしょ。」


まこと「ううん、僕はもうみんなの王子様はやめたんだ。」

<純粋無垢な感じに>「これからは、かえでだけの王子様だよ。」


かえで<キュンときた>「…っ!」

「そ、そういうの、やめてって言ったじゃん…」


まこと「…っ、ご、ごめん…つい、無意識に…」


かえで「んんっ、なにそれ…」


【音声フェードアウトおわり】



まこと「…っ!そうだ、かえでは学祭で回りたい場所はある?」


かえで「え、そ、そうだな〜…あっ、演劇、演劇部は見に行きたい。」


まこと「え、いいね、僕もみてみたい!」


かえで「ふふっ、多分まこちゃん好きかも、宝塚っていって、女の人が男役をやったりして〜…」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【おしっこ我慢】王子様キャラは学校のトイレが使えない @omoomo8818

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ