四季送り自陣if

@Brave09160101

春と夏のお買い物デート

あびの営業中、ふとお客さんがいないとき……正確には柊月さんと夏雪さんがいますが……芙羽香さんに話しかけられました。

「ねえ、桜。今度のおやすみに何かご予定ございますの?」

「えっと特に何もないですけど……どうしてですか?」

「なら私とデートしましょ?」

「え?」



ということがあり、あびで待ち合わせをしてからデートに行くことになりました。

何をしに行くんだろ……

さきも連れていっていいか聞きましたが2人で行きたいと。

ただそれを聞いたさきがめちゃくちゃ拗ねてしまいました……

お土産とまた今度どこか一緒に行くことでなんとかしましたが……


拗ねてるさきをなんとか宥めて集合時間15分前にあびに到着しました。……拗ねたさきが怖かったわけではありませんよ?

「あら?桜、お早いですわね?」

芙羽香さんが来たみたいですね。人のことは言えませんが早いですね。

「いえ今来たところですよ。芙羽香さんこそ時間前じゃないですか。」

「たまたま早く目が覚めてしまいまして。」

「私もそんな感じですね。」

……なんだからカップルみたいな会話しましたね。

「ふふっ」

「何かおかしいところでもありますの?」

「いえ、なんかカップルみたいな会話だなと思いまして……」

「そんなこと言うと14番さんと夏雪に怒られてしまいますわ」

「……それもそうですね。」

拗ねたさきと怒った夏雪さんを想像しました。

そうなったら私殺されませんか?

「あら?お時間もちょうどよいですわね。桜行きましょう?」

「ええ、行きましょうか……ところでどこに行くんですか?」

「そういえば言ってませんでしたね。お洋服も少々見たくて。」

「お洋服を見に行くんですか……?ってデートなんて紛らわしい言い方しないでください!さき宥めるの大変だったんですからね!」

「それは……申し訳ございませんわ」

「さきへのお土産一緒に選んでもらいますからね」

「ええ、もちろんですわ」



「これは……違いますわね……こちらは……うーん……」

芙羽香さんがすごく悩んでいる。かれこれ1時間くらいずっと悩んでいる。

「えっと……芙羽香さんはどうして服を探しているんですか?」

「え?」

「とても真剣に悩んでたのでなんでかなーと思いまして……」

「……笑いません?」

「笑わないですよ。」

「今度夏雪と今度お出かけをするんですの。だからちょっと新しいお洋服をと思いまして……」

「デートですか!?」

「声が大きいですわ!?デ、デート……そういうことになりますわね……」

「ふふっ」

「桜?笑わないって約束でしたわよね?」

「ごめんなさい芙羽香さん。でも私のことはデートで誘ってるのに夏雪さんのことになると真っ赤になっちゃうのがおかしくて、かわいいなあと」

「もう桜!」

「それで芙羽香さん。この2着で迷っているんですか?」

「ええ、いつも買うのはこっちなのですけど夏雪の隣だとちょっと合わないかなと思いまして……」

「確かに夏雪さんが普段着ている服とはちょっと合いませんね……そうですね……じゃあこれを合わせてこういう感じにすれば……これで夏雪さんと合う感じになりませんか?」

「とてもよいですわ!ではこちら買ってきますわ。」


芙羽香さんがお洋服を買ったらお昼を食べるのにちょうどよい時間ということもあり、カフェに入りました。

私がパスタを、芙羽香さんはサンドウィッチを頼みました。


「よいお買い物ができましたわ。ありがとう桜。」

「いえ、私も楽しかったですよ。ところでどうして私を誘ったんですか?それこそ夏雪さんと一緒に選べば良かったと思うんですが……」

「桜を誘った理由にそこまで深い理由はありませんわ。ただ一緒にお出かけしたいなと思っただけですわ。」

「確かに、あびで一緒に働いてますけど2人でお出かけするのって珍しいですもんね……安井金比羅宮行ったくらいですね?」

「だからよい機会ですしご一緒できればなと思いましたの。……それに先ほどみたいに迷った時にご相談ができるのがあびの中だと桜しか思いつきませんでしたの……」

「あー……確かにさきは目が見えませんし、柊月さんと祝さんは『どっちも似合ってる』と言いそうですね。夏雪さんは……」

「夏雪も『ああ……どっちも似合ってるぞ』と言いそうですわ。蠱毒は絶対に変なお洋服持ってきて『こっちの方が似合ってるんじゃない〜』って言いますわ。」

「絶対に似合ってないやつ持ってきますね。閻魔さんは……休日に連れ出すのが難しそうですね。お酒飲んでる邪魔したら何されるかわかりませんし……」

「そうですわね。やっぱり桜しかこういうお話はできませんわね。ところで桜は何か買われましたの?」

「特になにも買いませんでしたよ。」

「それは付き合わせてしまって申し訳ございませんわ。なら先ほどのお礼も兼ねて桜のことコーディネートしてもよろしくて?」

「え?いやそんな……」

「一度桜のこと着せ替え人形にしたいと思っておりましたの。美人さんなのにいつも同じようなお洋服なのですもの。それにいつもお化粧も最低限ですわよね?」

「そうですね……その……あんまりやり方知らなくて……それに……」

「それに?」

「あーいえなんでもありませんよ?」

「……先ほども言いましたが、せっかくの美人さんなのですからもったいないですよ?私がお教えしますわ。」

「え?本当ですか!?是非よろしくお願いします!」

「ふふっ……私にお任せくださいませ?」


ランチを済ませた後、私は宣言通り芙羽香さんの着せ替え人形になりました。……とても大変でした。かれこれ3時間くらい着せ替え人形でしたね。芙羽香さん自分のお洋服選んでる時より時間かけてた気がします。

3着ほど選んでいただき、2着自分で購入しました……1着は芙羽香さんに買って貰いました。芙羽香さんは全部買うと言ってくれましたけど流石に申し訳なかったので1着買ってもらうことにしました。……揉めに揉めましたが。


そのあとはお化粧品を見て回って、お化粧について教えてもらいました。

……お化粧覚えてもさきに見てもらえないからなあとか思ったことあるのは内緒にしておかないと。


その後、よい時間になったので帰ることにしました。

……さきへのお土産も忘れてはいませんよ?ちょっとよいクッキーを買いました。


でも今日の芙羽香さんって……

「ふふっ」

「桜?何かおかしいところでも?」

「いえ……あー……芙羽香さんに色々してもらって私にお姉ちゃんがいたらこんな感じなのかなあって思ってしまって」

「……もう。そんなこと言ったら14番さんが拗ねてしまいますよ?」

「それもそうですね。」

そう言って2人して笑い合いました。


そんな感じであびに着き、解散となりました。


「芙羽香さん今日はありがとうございました!とても楽しかったです。」

「桜、私こそよいお買い物ができましたわ。また一緒にお出かけしませんか?」

「是非行きましょう!今度はさきも一緒でもいいですか?」

「ふふっ、もちろんですわ。」


そう言って次のお出かけの約束をしました。


帰ったらさきがとても拗ねてしまったのはまた別のお話。

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